原題は「ON THE TOWN 」(街に出て=浮かれ楽しんで)
ロケによる撮影が実現した初めてのミュージカル映画
巡洋艦から3人の水夫が飛び出して「New York New York」で始まり
「New York New York」で終わるゴキゲンな構成
ミュージカル・ナンバーはMGMなだけにどれも最高の出来で
何の悩みも、難しいこともなく
出会った男女が、歌って、踊って、一晩楽しみ
次の朝には何の後腐れなくハイさようなら
最後まで明るくてハッピーな気分になれます
ニューヨーク港の朝6時
すごい勢いで海軍の水兵たち飛び出して来るやいなや
さあ観光するぞ、デートする女の子を見つけるぞと大騒ぎ
上陸時間は24時間、しかも大都会ニューヨーク
高鳴る気持ちは良くわかります(笑)
ゲイビー(ジーン・ケリー)は地下鉄に貼ってあった
「今月のミス地下鉄」のアイヴィのポスターに一目惚れ
仲間のチップ(フランク・シナトラ)と
オジイ(ジュールス・マンシュイン)を誘い
アイヴィを探しに行くことにします
ブルックリン橋、セントラル・・パーク、自由の女神、イエローキャブ
自然史博物館、ロックフェラー・センター
エンパイア・ステートビル、コニーアイランド・・・
人種ごとの夜のクラブ(でもフィナーレは一緒 笑)
ジーン・ケリーのダンスはもちろんのこと
タップの女王、アン・ミラーのタップダンスが素晴らしいし
コメディ担当はベティ・ギャレットや
彼女のルームメイト役のアリス・ピアースのやりとりも愉快
警察官だっていきなはからい
3人の水兵は去り
新たにやってきた巡洋艦から水兵たちが降りてくる
そしてまた一夜の恋が生まれるのでしょう
過去も未来もない、一晩限りの思い出
当時絶大な人気だったフランク・シナトラをロケに連れ出すには
大変な対策が取られたそうですが(笑)
この1本でニューヨーク観光ができました
【解説】KINENOTEより
「踊る海賊(1948)」のアーサー・フリードが製作しジーン・ケリイが主演と共同監督を受け持つ1949年度色彩ミュージカル。アドルフ・グリーンとベティ・カムデンの原作音楽劇から原作者が脚色しケリイとともに振付家スタンリー・ドーネンが監督している。撮影は「大編隊」のハロルド・ロッソン、音楽は舞台におけるレナード・バーンスタインのバレエ音楽からレニイ・ヘイトンが監督している。主演はジーン・ケリイのほか、「奇蹟の鐘」のフランク・シナトラ、「イースター・パレード」のアン・ミラア、ベテイ・ガアレット、ヴエラ・エレン、ジュールス・マンシュインらの舞台人が活躍する。
24時間の休暇をもらった3人の水兵ゲイビイ(ジーン・ケリイ)チップ(フランク・シナトラ)オジイ(ジュールス・マンシュイン)は紐育見物としゃれたが、ゲイビイはポスターの女アイヴィ(ヴエラ=エレン)に惚れ込み、ポスターの示す通り博物館に出かけた。館の教授クレア(アン・ミラア)はオジイに大変な思召し、チップはタクシーの女運ちゃんブランヒルド(ベティ・ガアレット)から熱を上げられた。やっとシンフォニー・ホールでアイヴィをみつけたゲイビイが、嬉しがったのも束の間、たちまち女は消えてしまった。が、彼女は踊子の身を恥じてコニイ・アイランドの舞台に逃げていたのだ。見世物小屋ではブランヒルドを車持ち逃げ犯人と思いこんで追って来た警官隊が6人と衝突、大騒ぎになるが、クレアの機智と警官の粋を利かした計らいで、すべてはうまくおさまった。翌朝、帰営する3人の水兵に、女3人は熱い接吻を贈って別れを惜しんだ。