足ながおじさん(1955)

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原題も「DADDY LONG LEGS

児童文学としてあまりにも有名で

日本にも「あしなが育英会」というのがありますが

 

なんか、今見たら援助交際(笑)

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孤児院の少女ジュリーが、月に一度手紙を書くという条件で

名前を明かさず大学の学費を援助してくれる謎のスポンサーを

「足ながおじさん」と呼び、ああでもない、こうでもない、と想像して

約束通り手紙を本人に送るというもの

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やがてジュリーは手紙で、ルームメイトのサリーの兄のジミーや

ジュリアの伯父さんで年上のジャービスとの恋愛の悩み

将来のことを手紙で打ち明け相談するようになります

「足ながおじさん」がジャービスだとも知らずに

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アステア50代半ばのミュージカルで

撮影中にアステア夫人が急死してしまい

ショックを受けたアステアは演技不能となり

(ダンスナンバーにアステアの姿がないシーンがあるのはそのため)

再び演じる決心をしたという作品

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でもそんなこと感じない、相変わらず優雅なダンスで

特に大学でのスルーフットが最高

クラシック・バレエ出身だというヒロイン、レスリー・キャロン

アステアのいないソロは正直退屈

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私が思う原作のヒロインのイメージとも違って、ちょっとがっかり

ジュリーは赤毛でパンチパーマのあけすけなタイプより

おさげとかポニーテールの、文学的なヲタク美少女のほうがいい

レスリー・キャロンが悪いわけではない 笑)

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アステアと秘書のフレッド・クラークとセルマ・リッターおばさんの

上司と部下の関係を超えた3人の掛け合いは楽しい

こういう人間関係を築き上げるのには

同じ職場に何十年も勤めないといけないのだろうけど(笑)

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ラストはジャービスが「足ながおじさん」だと知ったジュリーが

プロポーズを受けてハッピーエンド

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でもジュリーが「足ながおじさん」だと思っていた

愛する男性(30代の大学教授とか、大手出版社の社長)とは別に

純粋にジュリーの手紙と成長を楽しみにしている

(妻と娘を亡くしそれ以来誰も愛せなかった)老紳士

本物の「足ながおじさん」がいた、という展開のほうがよかったな

(世界的名作にそんなケチつけるのオマエだけ 笑)

 

 

【解説】allcinema より

フォックスのミュージカル(専らウォルター・ラングが演出していた)もMGMと比較すれば垢抜けない事この上ないのだが、主演にF・アステアとL・キャロンを招き、洒脱な恋愛コメディに腕を奮っていたJ・ネグレスコを演出に当たらせた事で、このウェブスターの少女小説ミュージカル映画化はかなりの成功を納めた。キャロンのもたらすフレンチ・ムードを損なわないよう、主人公ジュリーをフランスの孤児院出身としたのも正解。パリで絵を学んだネグレスコによる、「巴里のアメリカ人」への返答めいた映画で、やはり美術(セット)を活かしたプロダクション・ナンバーが秀逸。