原題も「DADDY LONG LEGS」
児童文学としてあまりにも有名で
日本にも「あしなが育英会」というのがありますが
なんか、今見たら援助交際(笑)
孤児院の少女ジュリーが、月に一度手紙を書くという条件で
名前を明かさず大学の学費を援助してくれる謎のスポンサーを
「足ながおじさん」と呼び、ああでもない、こうでもない、と想像して
約束通り手紙を本人に送るというもの
やがてジュリーは手紙で、ルームメイトのサリーの兄のジミーや
ジュリアの伯父さんで年上のジャービスとの恋愛の悩み
将来のことを手紙で打ち明け相談するようになります
「足ながおじさん」がジャービスだとも知らずに
アステア50代半ばのミュージカルで
撮影中にアステア夫人が急死してしまい
ショックを受けたアステアは演技不能となり
(ダンスナンバーにアステアの姿がないシーンがあるのはそのため)
再び演じる決心をしたという作品
でもそんなこと感じない、相変わらず優雅なダンスで
特に大学でのスルーフットが最高
クラシック・バレエ出身だというヒロイン、レスリー・キャロンの
アステアのいないソロは正直退屈
私が思う原作のヒロインのイメージとも違って、ちょっとがっかり
ジュリーは赤毛でパンチパーマのあけすけなタイプより
おさげとかポニーテールの、文学的なヲタク美少女のほうがいい
(レスリー・キャロンが悪いわけではない 笑)
アステアと秘書のフレッド・クラークとセルマ・リッターおばさんの
上司と部下の関係を超えた3人の掛け合いは楽しい
こういう人間関係を築き上げるのには
同じ職場に何十年も勤めないといけないのだろうけど(笑)
ラストはジャービスが「足ながおじさん」だと知ったジュリーが
プロポーズを受けてハッピーエンド
でもジュリーが「足ながおじさん」だと思っていた
愛する男性(30代の大学教授とか、大手出版社の社長)とは別に
純粋にジュリーの手紙と成長を楽しみにしている
(妻と娘を亡くしそれ以来誰も愛せなかった)老紳士
本物の「足ながおじさん」がいた、という展開のほうがよかったな
(世界的名作にそんなケチつけるのオマエだけ 笑)
【解説】allcinema より
フォックスのミュージカル(専らウォルター・ラングが演出していた)もMGMと比較すれば垢抜けない事この上ないのだが、主演にF・アステアとL・キャロンを招き、洒脱な恋愛コメディに腕を奮っていたJ・ネグレスコを演出に当たらせた事で、このウェブスターの少女小説のミュージカル映画化はかなりの成功を納めた。キャロンのもたらすフレンチ・ムードを損なわないよう、主人公ジュリーをフランスの孤児院出身としたのも正解。パリで絵を学んだネグレスコによる、「巴里のアメリカ人」への返答めいた映画で、やはり美術(セット)を活かしたプロダクション・ナンバーが秀逸。