「わたしはずっと自惚れたままでいたいの それだけよ」
原題は「NORTH TO ALASKA 」(北からアラスカへ)
北とはシアトルのこと(アラスカのほうが北だかな 笑)
どんなジャンルもこなすヘンリー・ハサウェイはスタジオから重宝された一方
批評家からは無視されたそうです(笑)
本作も娯楽要素はあるものの、先が見えるありきたりなストーリーで
ひとりの美女を巡り三人の男が掛けあうというもの
とはいえハサウェイらしい大団円は幸福感があって、やっぱりいい
職人レオン・シャムロイのカメラもGOOD
1901年、アラスカ州ノーム
金脈を掘り当てたサム(ジョン・ウェイン)と
ジョージ(スチュワート・グレンジャー)は大金持ち
サムが鉱山機器をシアトルに買いに行くことになり
ジョージはシアトルに住む婚約者のジェニーを迎えに行って欲しいと頼みます
ところがジェニーはすでに結婚していて
サムはサロンで出会ったジェニーと同じフランス人の娼婦
ミシェル・ボネ、通称エンジェル(キャプシーヌ)を連れて
ノームに帰ることにします
サムは男がひとりの女性に縛られるとか
いい女がひとりの男だけのものになるという
奴隷制に等しい結婚制度に反対を唱えていましたが
旅の途中次第にふたりは惹かれあいます
しかしエンジェルは親友ジョージのために連れてきた女
しかもノームに着くとサムとジョージの金鉱を乗っ取ろうとする
エンジェルの元彼フランキーがいました
そのうえジョージの17歳の弟ビリーが
エンジェルに夢中になってしまうのです
いかさま師フランキーの策略もあっけなく(笑)
木登り競争や、酒を飲んで和解したり
サムの気持ちを知ったジョージが、わざとエンジェルと一晩過ごし
サムにやきもちをやかせたり
事件という事件もなく、乱闘騒ぎはあっても人は死なず
最後はサムがエンジェルに愛を叫んでハッピー・エンド
ジョージとビリー17歳にも、運命の女性が早く現れてくれるよう
思わず祈ってしまいました(笑)
【解説】allcinema より
1900年、ゴールドラッシュに沸くアラスカを舞台にした、J・ウェイン主演=H・ハサウェイ監督による痛快娯楽作。金鉱を掘り当てたサム(ウェイン)は採掘機を買いに出かけたシアトルで相棒ジョージ(グレンジャー)の婚約者を迎えに行くが、彼女は既に結婚していた。仕方なく知り合った美女ミシェール(キャプシーヌ)を代わりに連れて戻るサム。そこへ採掘権を横取りしようとする悪漢一味が現れた……。活劇の趣向はそこそこに、どちらかというとキャプシーヌをめぐってのいざこざが尺を占めているが、それは原作が舞台劇だった事を考えると納得がいこう。アクションは要所要所のみに絞られ、ウェイン、グレンジャー、キャプシーヌの会話劇の妙味が楽しい。ハサウェイの大らかな造りが効を奏した一作だ