原題は「BORG vs McENROE」
1980年、ウィンブルドンでのビヨン・ボルグとジョン・マッケンローの
決勝戦に焦点を当てた
なのでボルグのほうが主役寄り(笑)
リアルタイムを再現したような緊迫感溢れる映像は
私もですが、実際に試合を見ていない人でも楽しめると思います
物語はウィンブルドン4連覇中
全仏オープン6回 、チャンピオンシップ(年末選手権)3回
グランプリスーパーシリーズについては16回優勝したビヨン・ボルグが
パパラッチされ、ファンに追いかけられ
そんな気の休まらない中
誰にでも紳士的に対応する姿が映し出されます
一方で快進撃を続けるアメリカの新星、ジョン・マッケンローは
気に入らないことがあれば暴言を吐き、審判に抗議
コートにラケットを投げつる悪童として注目を浴びていました
そんな対照的に見えるボルグとマッケンローですが
本当のふたりはよく似ていた、と、この作品では訴えます
ボルグもかっては手に負えない激情家でした
(しかも子ども時代を演じているのは、ボルグの実子 笑)
何度も試合中にキレてしまい、テニス界を追放されるまで陥りますが
その危機を救ったのがボルグの才能を見出したコーチ、ベルゲリンでした
感情をコントロールすることや、スマートな振る舞いを教え込まれ
抑え込まれたエネルギーを試合にぶつけ、世界王者を目指します
一方のマッケンローは、良家のお坊ちゃん出身
絶対的権力の持ち主である父親に反抗できない、気弱な少年でした
だけど本当は父親が望む勉学より、テニスが大好き
そんなマッケンローのヒーローがボルグ
ボルグを真似てボルグと同じヘッドバンドをする
プルシェンコと同じ髪型にしていたのと似ている(笑)
北欧のクールな映像がリアリティで
出ている俳優たちの成りきり度の凄さ(笑)
本人と見間違える役作り、テニスプレーの個性
ボルグは怒りを抑え込み
マッケンローは怒りを爆発することで
人間の高みを超えていきます
やがて宿命の決勝戦
タイブレーク、フルセットの死闘
この時、マッケンローは自分に不利な判定でも
ボルグにだけは抗議することはありませんでした
(これが敗因だろうな)
試合が終わった瞬間のノーサイド
有名なボルグの勝利のガッツポーズ
帰りの空港で健闘をたたえ合うふたり
それぞれ数多くの神的、歴史的試合があるなか
ただひとつの試合だけに焦点をあてたのはわかりやすいし、感動する
だけど、どんな世界にもやってくる世代交代、栄枯盛衰
翌年のウィンブルドンでは、マッケンローが勝利
ボルグは26歳という若さで引退を決意
その後もボルグとマッケンローは親交が続き
簡潔な引き際、しんみりしない幕引き
素人が口出しする隙を与えない容赦なさ
たとえテニスファンでなくても
見て後悔のない秀作に間違いないでしょう
【解説】KININOTEより
2人のスタープレイヤーの対決が世界を熱狂させた1980年のウィンブルドン決勝戦を映画化。20歳の若さでウィンブルドン初優勝を果たしたビヨン・ボルグと、その前に立ち塞がるジョン・マッケンロー。対照的な2人がウィンブルドン決勝戦で激突する。出演は「ストックホルムでワルツを」のスヴェリル・グドナソン、「フューリー」のシャイア・ラブーフ。監督は「アルマジロ」のヤヌス・メッツ。
テニスブームに沸く1980年。まるでハリウッドスターのような人気を誇る対照的なスタープレイヤー2人の戦いに、世界中が熱狂していた。弱冠20歳でのウィンブルドン初優勝から4連覇を達成し、彫刻のように美しいビジュアルと冷静沈着なその姿で“氷の男”と呼ばれたビヨン・ボルグ(スヴェリル・グドナソン)。一方、絶対王者ボルグの5連覇を阻止しようと現れたのが、ジョン・マッケンロー(シャイア・ラブーフ)。類稀な才能を持つマッケンローだったが、不利な判定に対しては怒り狂い、野犬の如く審判に噛みつくその態度から“悪童”と呼ばれ、バッシングを受けていた。エレガントなプリンスとワイルドな野生児がぶつかり合ったウィンブルドン決勝戦。果たして、世界中が固唾を呑んで見守った世紀の試合の行方は…