「明るい未来を望むなら、つらい過去に感謝すべき」
【台湾巨匠傑作選 台北発 メトロシリーズ 】
原題は「五星級魚干女」(五つ星干物女)
舞台になっている北投温泉は、戦前に日本人が開発した観光地ということ
旭日旗があったり、神社に参拝したり、お神輿が飾られていたり
今でも日本の文化がそのまま残されているんですね
私が高校に通った函館も、異なる宗教や文化が共存する街だったので
そんな日本風台湾に親近感をもってしまいます
ヒロインも綾瀬はるかちゃん風ですし(笑)
そこにある老舗旅館の女将が骨折して入院
そこでニートで、男ッ気なしで、部屋は散らかし放題
炭酸飲料とスナック菓子に溺れる「干物女」の孫娘ファンルーは
アメリカに留学する費用と引き換えに、旅館の経営をまかされます
ところが、蓋を開ければ旅館は借金だらけで破産寸前
そこに現れたのが、アメリカ人バックパーカーの青年アレン
彼は有名のバイオリニスト、ヤマダトモオ
山田智生の軌跡を追ってこの旅館を訪ねてきました
しかしお金が尽き、「無給でいいから働かせてクダサイ」と頼み込みます
ファンルーはイケメンなアメリカ人なら客を呼べると思い
アレンの写真をSNSにUP、即座に若い女性から反応がありました
アレンを雇うことを決定し、キノコの生えた汚れた従業員部屋を貸し与えます
そこからふたりの旅館の再建が始まるわけですが
物語にリアリティを感じないし、コメディも面白くない(笑)
おばあちゃんと日本人バイオリニストの国境と時間を超えた
恋愛部分も感動少なし
そのかわり計算高くない分、ほっこりする
オバちゃんみたいな日焼け対策で、プラカードを持った旅館の宣伝
スケベな政治家と若い女のふしだらな恋愛かと思ったら、意外と真面目
顔のあざのコンプレックスで告白できなかった、料理長の一途な思い
みんな不器用だけど、みんないい人、悪い人はひとりもいない
だからなんだか、いい映画を見たような気分なる(笑)
結局、おばあちゃんも、ファンルーも
海外に行くことより旅館を守る決意をします
女が追いかけたり、待つ時代は終わった
結婚したかったら男のほうから来いよ!
と、いうことなのでしょう(たぶん)
【情報と説明】タワーレコードオンラインより
干物女の生活から抜け出し海外留学を決断したファンルーだったが、祖母の老舗の温泉旅館が経営難になり、旅館立て直し作戦を開始する。本作を含むメトロシリーズ7作品をイエ・ティエンルンがプロデュース。
台北シリーズ第5弾!
ヒロインの芳如(ファンルー)を演じたアリス・クーは歴史ドラマ「紫色大稻●※1」のヒロインで大ブレイク。2016年『必娶女人』で金鐘獎のテレビドラマ最優秀主演女優賞受賞。映画「愛情來了(ラブゴーゴー)」で金馬賞最優秀助演女優賞を受賞した廖慧珍(リャオ・フェイジェン)がベテラン俳優の高盟傑(ガオ・モンジェー)とコンビを組み、奇妙なホテル評価員を演じている。
干物女の生活から抜け出し海外留学を決断した芳如(ファンルー)だったが、祖母の老舗の温泉旅館が経営難になり夢を断念。祖母は、昔の恋の想い出もあるこの旅館を手放したくないと言う。そこで芳如はアメリカから泊まりに来たアレンをてなづけ、旅館立て直し作戦を開始する。そんなある日、祖母のバイオリンを見つける。実は国際的に有名な日本人バイオリニストが恋仲になった祖母へ残した思い出のバイオリンだった。