原題は「HOLIDAY INN」
これはホテル・チェーン”ホリディ・イン”創業の逸話なのかしら?
と思ったらそうではなく(笑)
ホリディ・イン第1号店がオープンしたのは1951年
映画の公開のほうが先でした
ホテルのショーで毎日のように忙しい歌手のジム(ビング・クロスビー)は
クリスマスの公演が終わったら、ショーのパートナーであり
恋人でもあるライラ(ヴァージニア・デール)と結婚し
田舎で農場をやるつもりでした
本当はライラがショービジネスを続けたいことを知っている
ダンサーのテッド(フレッド・アステア)はライラを引き留め
エージェントのダニー・リード(ウォルター・エイベル)も
テッドとライラふたりの共演で仕事を見つけます
親友に婚約者を奪われたジムは
独り寂しくコネティカットに行き酪農と農業を始めます
しかし実際の農場生活は過酷で、クタクタに疲れ切り
ショービズ以上に祝日も休日もあったもんじゃない
1年後のクリスマス・イブ、ジムにアイディアが浮かびました
デカい自宅を改装して、祝日だけのホテル”ホリディ・イン”を開こうと
その話をエージェントに相談すると、花屋に勤める
自称「歌って踊れる」というリンダを紹介してくれます
このヒロイン役、ちょっとMMに似ていて可愛いの
なんでブレイクしなかったのかな
そしてまた1年後のクリスマス・イブ、”ホリディ・イン”がオープン
クリスマス・ソングの定番曲「ホワイト・クリスマス」は
この作品の挿入歌だったのですね
ジムとリンダのショーは大成功、次々に開催されるわけですが
そこにやってきたのが、富豪と結婚するとライラに捨てられたテッド
今度はリンダをパートナーにしようと、急接近してきます
リンダを愛しているジムはそれを阻止しようとするわけですが
とにかく優柔不断で姑息な手を使い、はっきりしない性格なのです
そこにアステアの神業ダンス登場(笑)
ハートの壁を突き抜けるシーンなど息を呑みます
ジムが腐ってしまうのも当然
リンダの気持ちを確かめもせず、テッドに譲ってしまいます
リンダは有名になり、やがてテッドと婚約します
だけど心優しい黒人メイドの
「リンダ様が本当に愛しているのはご主人様」の一言で
結婚式当日に略奪というアメリカ映画あるある(笑)
アメリカでは結婚式当日のドタキャンが本当に多いのでしょうか
身内や、招待客の迷惑も考えずなんともご自分様勝手な
せめて招待状配る前に気持ちに気づけよ、バカすぎる
でも日本の標語大賞が「欲しがりません、勝つまでは」の
第二次世界大戦真っただ中だった頃
アメリカではクリスマス・イブやバレンタイン・デーといった祝日を
ホテルのショーで過ごそうという発想の違いの大きさに驚かされます
まあラストは、リンダとジムは愛を確信しあい
ライラもテッドの元に戻ってきてめでたし、めでたしでしたが
やっぱり結婚式の当日ドタキャンは賛同できないかな
(私の嫌いな映画のひとつに「卒業」(1967)があるくらいだから 笑)
【解説】KINENOTEより
「我が道を往く」のビング・クロスビーと「カッスル夫妻」の フレッド・アステアが主演する歌と踊りにつづられた音楽映画。音楽は「世紀の楽園」のアーヴィング・バーリン作詞作曲し、映画も彼の原案に基づき、劇作家エルマー・ライスが書き上げ、「トップ・ハット」のマーク・サンドリッチが監督製作したものである。ダンス振付はダニー・デーア、撮影はデイヴィッド・エーベルの担任。助演ではマージョリー・レイノルズ、ヴァージニア・デールの二新人と、「三銃士(1935)」のウオルター・エイ
歌の巧いジム・ハーディとダンスの上手なテッド・ハノオヴァは 、ライラ・デイクスンと三人組で、ニューヨークのナイトクラブに出演していた。ジムはライラが承知したので、カネチカット州のミドヴィルという村に農場を買い、芸人の足を洗って結婚生活に入る準備をした。ところがクリスマスも前夜いよいよ最後の晩にライラは寝返り、テッドと婚約してしまう。ジムはさびしく田舎に一年を送ったが、一年目のクリスマス前夜にテッドを訪ねてブロードウェイに現れた。その夜ジムは花屋の売り子をしているリンダ・メイスンという芸人志望の娘に会った。ジムはミドヴイルの家を改造して、祭日だけフロア・ショウを見せて開場するという企画で、ホリデイ・インを始めるから、テッドに出演を頼みに来たのだった。テッドは変人扱いにして相手にしなかったが、翌日リンダが来て歌い踊る契約をした。ジムとリンダは互いに心をひかれつつ、大みそかの夜ホリデイ・インは開業した。ところがその夜ライラはテッドを捨てて駈け落ちしたので、彼は泥酔してインへ訪ねて来てリンダと踊った。かくてまたもやリンダをめぐって二人は恋のさや当てを演じたが、ジムが策略をろうしすぎたので、リンダはテッドと共にハリウッドへ行き、映画スタアとなった。間もなく婚約が新聞に発表された。ジムは発奮してハリウッドへ乗込むと、もともとジムを愛しているリンダは、ジムの腕に抱かれた。