あの時、私はサンドラ・ブロックで
夫はキアヌ・リーブスだった(うそつけ)
「ダイ・ハード」(1988)と並ぶハリウッド的アクション映画の傑作
低予算で作られたにもかかわらず、興行収入は製作費の12倍近く
サンドラとキアヌの出世作であり、ヤン・デボンの名前も
世界に知らしめました
エレベータ、バス、地下鉄で起こる
爆弾テロによる逆恨みノンストップアクション
悪役は デニス・ホッパー
当時はあの悪役顔で入浴剤のCMに出て
「アヒルちゃん♡」とか言っていましたね(笑)
”反逆のアイドル”ビリー・アイドル
(と、ひたすら頭を揺さぶりギターを弾くスティーヴ・スティーヴンス)
の歌う主題歌の「SPEED」も良かった
意外にも、今見ても十分楽しめました
スピードを時速50マイル(約80キロ)以下に落とすと
爆発する爆弾を仕掛けられたバス
ネタは「新幹線大爆破」(1975)と同じなのですが(笑)
(原案は黒澤明の「暴走機関車」のオリジナル脚本らしい)
射殺された運転手の代わりに
バスを運転するハメになってしまった女子大生(サンドラ・ブロック)
対向車やドラム缶や標識を弾き飛ばしたり、ぶつかったり
ベビーカー(中身は子どもでなく缶詰)や
登校中の児童の群れに突っ込みそうになったり
あらゆる障害を抜け、ここなら自由に50マイル走れるだろうと
バスは空港に向かいます、と思いきやガス欠の危機
そこで警察はドライブレコーダーの録画をテレビ中継で流し
その間に乗客を脱出させることに成功します
だけど、そこで黙っちゃいないのがデニス・ホッパー(笑)
親切な警察官を装ってサンドラを誘拐し
彼女に爆弾を巻き付け地下鉄に乗り込み逃走するのです
それをひらすら追いかけるキアヌ
ラストはお約束的なハッピーエンドでしたが(笑)
この映画の最も凄いところは、これだけのアクションをもってきても
徹底的に「死者を出さないように」作られていること
実際作中で亡くなっているのも、ドラマ作りのための
女性ひとりと、バスの運転手と、犯人の3人だけ
人がたくさん死ぬことだけがスリリングではないと思います
このようなヒット作の場合、時を経てから映画として
高評価されることはまずないのでしょうが(笑)
名作と言っても過言ではないと思います
「スピード2」(1997)に関しては、舞台が豪華客船になったぶん
「スピード」関係ないじゃん!と、ツッコミたくなりますけど(笑)
【解説】allcinemaより
時速50マイル以下になると爆発する路線バスをメインに、爆弾魔とSWAT隊員の攻防をノンストップで描くジェット・コースター・アクション。次々起きる危機また危機とその解決手段がゲーム感覚で展開されていく様は、“秒刻みのクリフハンガー(スタローンの映画の事ではない)”とでも呼ぶべき映画的興奮に満ちている。余計なキャラクター描写を極限まで切り詰め、過去のアクション映画のエッセンスを凝縮させた脚本のG・ヨスト、撮影監督の経験を活かしビジュアルで語る事に徹底したJ・デ・ボン、二人の“新鋭”の果たした功績はあまりにも大きい。