スピード(1994)

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あの時、私はサンドラ・ブロック
夫はキアヌ・リーブスだった(うそつけ)

 

ダイ・ハード」(1988)と並ぶハリウッド的アクション映画の傑作
低予算で作られたにもかかわらず、興行収入は製作費の12倍近く
サンドラとキアヌの出世作であり、ヤン・デボンの名前も
世界に知らしめました

エレベータ、バス、地下鉄で起こる
爆弾テロによる逆恨みノンストップアクション
悪役は デニス・ホッパー
当時はあの悪役顔で入浴剤のCMに出て
「アヒルちゃん♡」とか言っていましたね(笑)

”反逆のアイドル”ビリー・アイドル
(と、ひたすら頭を揺さぶりギターを弾くスティーヴ・スティーヴンス)
の歌う主題歌の「SPEED」も良かった

意外にも、今見ても十分楽しめました
スピードを時速50マイル(約80キロ)以下に落とすと
爆発する爆弾を仕掛けられたバス
ネタは「新幹線大爆破」(1975)と同じなのですが(笑)
(原案は黒澤明の「暴走機関車」のオリジナル脚本らしい)

 

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射殺された運転手の代わりに
バスを運転するハメになってしまった女子大生(サンドラ・ブロック
対向車やドラム缶や標識を弾き飛ばしたり、ぶつかったり
ベビーカー(中身は子どもでなく缶詰)や
登校中の児童の群れに突っ込みそうになったり
あらゆる障害を抜け、ここなら自由に50マイル走れるだろうと
バスは空港に向かいます、と思いきやガス欠の危機

そこで警察はドライブレコーダーの録画をテレビ中継で流し
その間に乗客を脱出させることに成功します

だけど、そこで黙っちゃいないのがデニス・ホッパー(笑)
親切な警察官を装ってサンドラを誘拐し
彼女に爆弾を巻き付け地下鉄に乗り込み逃走するのです
それをひらすら追いかけるキアヌ

 

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ラストはお約束的なハッピーエンドでしたが(笑)

この映画の最も凄いところは、これだけのアクションをもってきても
徹底的に「死者を出さないように」作られていること
実際作中で亡くなっているのも、ドラマ作りのための
女性ひとりと、バスの運転手と、犯人の3人だけ
人がたくさん死ぬことだけがスリリングではないと思います

このようなヒット作の場合、時を経てから映画として
高評価されることはまずないのでしょうが(笑)
名作と言っても過言ではないと思います

「スピード2」(1997)に関しては、舞台が豪華客船になったぶん
「スピード」関係ないじゃん!と、ツッコミたくなりますけど(笑)

 


【解説】allcinemaより
 時速50マイル以下になると爆発する路線バスをメインに、爆弾魔とSWAT隊員の攻防をノンストップで描くジェット・コースター・アクション。次々起きる危機また危機とその解決手段がゲーム感覚で展開されていく様は、“秒刻みのクリフハンガー(スタローンの映画の事ではない)”とでも呼ぶべき映画的興奮に満ちている。余計なキャラクター描写を極限まで切り詰め、過去のアクション映画のエッセンスを凝縮させた脚本のG・ヨスト、撮影監督の経験を活かしビジュアルで語る事に徹底したJ・デ・ボン、二人の“新鋭”の果たした功績はあまりにも大きい。