タイトルの「FRANCESHA」は
アパートのポストのネームプレートに
FRANCESHALLADAYの名前が長くて入らず、折って入れたところ
FRANCESHA(フランシス・ハ)になったことから
ネームプレートに収めようと考えもせず名前を書く
それがフランシス27歳
タイトルもですが、(英語でなければ)まるでフランス映画(笑)
かなりヌーヴェルヴァーグの影響を感じる作風です
ダンスカンパニーの研究生、フランシス(グレタ・ガーウィグ)と
キャリアウーマンのソフィー(ミッキー・サムナー、スティングの娘!)は
大学からの親友で、ブルックリンのアパートをシェアしています
猫を飼って一緒に暮らそうと提案する彼氏と
「ソフィーと部屋を借りている」ことを理由に別れるフランシス
なのにソフィーは憧れのトライベッカにいい部屋が見つかったので
別の女友達とシェアするため引っ越すというのです
そんなとき、税金の還付を受けたフランシスは
知り合いのレブ(アダム・ドライバー)を食事に呼び出します
大人の女の対応で「ここはおごるわ」
なのにカードは使えないし、ATMも見つからない
夜の街を必死に走りまわり、無様に転んでしまい
レブのアパートで怪我を手当てをしてもらいます
ここでレブとロマンスが生まれるのか?と思いきや、そうではなく(笑)
フランシスは大柄で老け顔で”こじらせ女”
いわゆる色気ゼロで、いいのか悪いのか
男から見て、ある意味”安全牌”タイプ
そこでレブから、チャイナタウンの部屋を
ベンジー(マイケル・ジーゲン)と3人で
(もうひとりのルームメイトが出るので)シェアしよう持ち掛けられます
またレブとベンジーのほうも
女性ひとりでも同居してもいいと思える
自由でマイペース、疲れないタイプのメンズ(笑)
今日は「何もしなかった」と嘆くフランシスに
「僕は色々した、ベーグルサンド食べたし
ネットでサングラスを3個買った
充実している」と答えるベンジー
そしてフランシスの愚痴に何度も「Undatable」(非モテ)と呟く
「Undatable」とは、日にちや時間を守れない人という意味から
デートの相手として失格、ふさわしくないという意味があるそうです
だけどダンサーの仕事を解雇され、家賃を払えなくなってしまう
田舎のサクラメントの家族の元に戻り、母校でバイトすることになります
そこで親友ソフィーとの再会
そして、友人をあてにして行ったものの、意味のないパリ2泊旅行
何をやっても、踏んだり蹴ったり
彷徨って、彷徨って、彷徨って
ふら、ふら、ふら
そしてついに妥協する
それはお金のためだけだったのかも知れない
ダンスカンパニーの上司が誘ってくれた
気の乗らない事務職と、振付の仕事
だけど、つまらなくて、最低と信じていたことが
やってみたらやりがいがあった、評価された
面倒な「こじらせ女子」が、やっと
自分の居場所を見つけることができたのです
フランシスのように、正直だけど不器用にしか生きれない
そんな人間はたくさんいると思います
だけど自分の独断だけが正しいわけじゃない
人生は一方通行ではないことを
この映画は教えてくれるでしょう
【開設】allcinemaより
監督作「イカとクジラ」や共同脚本を手がけた「ライフ・アクアティック」「ファンタスティックMr.FOX」でのウェス・アンダーソンとのコラボなどで知られる俊英ノア・バームバック監督が、前作「ベン・スティラー 人生は最悪だ!」でヒロインに起用したグレタ・ガーウィグとのコラボで贈る青春コメディ。ニューヨークを舞台に、プロのモダンダンサーを夢見ながらもままならない日々を送る大人になりきれない27歳のヒロイン、フランシスが周囲の人々と織り成すほろ苦くもユーモラスな等身大の人間模様を、モノクロ映像で軽やかに綴る。
ニューヨーク・ブルックリンで見習いモダンダンサーをする27歳のフランシス。親友のソフィーとルームシェアをして、それなりに楽しく毎日を送っていた。しかし、まだまだ若いつもりのフランシスに対し、周りはどんどん変わっていく。やがてダンサーとしての行き詰まりを痛感し、またいつしかソフィーとの同居も解消となり、ニューヨーク中を転々とするハメになるフランシスだったが…。