フランシス・ハ(2012)

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タイトルの「FRANCESHA」は

アパートのポストのネームプレートに

FRANCESHALLADAYの名前が長くて入らず、折って入れたところ

FRANCESHA(フランシス・ハ)になったことから

 

ネームプレートに収めようと考えもせず名前を書く

それがフランシス27歳

 

タイトルもですが、(英語でなければ)まるでフランス映画(笑)

かなりヌーヴェルヴァーグの影響を感じる作風です

 

ダンスカンパニーの研究生、フランシス(グレタ・ガーウィグ)と
キャリアウーマンのソフィー(ミッキー・サムナー、スティングの娘!)は
大学からの親友で、ブルックリンのアパートをシェアしています

猫を飼って一緒に暮らそうと提案する彼氏と
「ソフィーと部屋を借りている」ことを理由に別れるフランシス
なのにソフィーは憧れのトライベッカにいい部屋が見つかったので
別の女友達とシェアするため引っ越すというのです

 

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そんなとき、税金の還付を受けたフランシスは
知り合いのレブ(アダム・ドライバー)を食事に呼び出します
大人の女の対応で「ここはおごるわ」
なのにカードは使えないし、ATMも見つからない
夜の街を必死に走りまわり、無様に転んでしまい
レブのアパートで怪我を手当てをしてもらいます

ここでレブとロマンスが生まれるのか?と思いきや、そうではなく(笑)
フランシスは大柄で老け顔で”こじらせ女”
いわゆる色気ゼロで、いいのか悪いのか
男から見て、ある意味”安全牌”タイプ

 

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そこでレブから、チャイナタウンの部屋を
ベンジー(マイケル・ジーゲン)と3人で
(もうひとりのルームメイトが出るので)シェアしよう持ち掛けられます

またレブとベンジーのほうも
女性ひとりでも同居してもいいと思える
自由でマイペース、疲れないタイプのメンズ(笑)

今日は「何もしなかった」と嘆くフランシスに
「僕は色々した、ベーグルサンド食べたし
 ネットでサングラスを3個買った
 充実している」と答えるベンジー

 

そしてフランシスの愚痴に何度も「Undatable」(非モテ)と呟く
「Undatable」とは、日にちや時間を守れない人という意味から
デートの相手として失格、ふさわしくないという意味があるそうです

だけどダンサーの仕事を解雇され、家賃を払えなくなってしまう
田舎のサクラメントの家族の元に戻り、母校でバイトすることになります
そこで親友ソフィーとの再会
そして、友人をあてにして行ったものの、意味のないパリ2泊旅行

 

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何をやっても、踏んだり蹴ったり
彷徨って、彷徨って、彷徨って
ふら、ふら、ふら
そしてついに妥協する

それはお金のためだけだったのかも知れない
ダンスカンパニーの上司が誘ってくれた
気の乗らない事務職と、振付の仕事

だけど、つまらなくて、最低と信じていたことが
やってみたらやりがいがあった、評価された
面倒な「こじらせ女子」が、やっと
自分の居場所を見つけることができたのです

 

フランシスのように、正直だけど不器用にしか生きれない
そんな人間はたくさんいると思います

だけど自分の独断だけが正しいわけじゃない
人生は一方通行ではないことを
この映画は教えてくれるでしょう

 


【開設】allcinemaより
 監督作「イカとクジラ」や共同脚本を手がけた「ライフ・アクアティック」「ファンタスティックMr.FOX」でのウェス・アンダーソンとのコラボなどで知られる俊英ノア・バームバック監督が、前作「ベン・スティラー 人生は最悪だ!」でヒロインに起用したグレタ・ガーウィグとのコラボで贈る青春コメディ。ニューヨークを舞台に、プロのモダンダンサーを夢見ながらもままならない日々を送る大人になりきれない27歳のヒロイン、フランシスが周囲の人々と織り成すほろ苦くもユーモラスな等身大の人間模様を、モノクロ映像で軽やかに綴る。
 ニューヨーク・ブルックリンで見習いモダンダンサーをする27歳のフランシス。親友のソフィーとルームシェアをして、それなりに楽しく毎日を送っていた。しかし、まだまだ若いつもりのフランシスに対し、周りはどんどん変わっていく。やがてダンサーとしての行き詰まりを痛感し、またいつしかソフィーとの同居も解消となり、ニューヨーク中を転々とするハメになるフランシスだったが…。