スペイン語でmamaは「ママ」と同時に、「乳房」という意味もあるそうで
「cancerde mama」は「乳がん」のこと
女性特有のがんといえば、乳房や子宮の切除
抜け毛といった、女性そのものの象徴を失う辛さもある病気
出産もまた女性にしか経験のできないこと
そんな女性ならではの主題をペネロペ・クルスが製作・主演した意欲作
とはいえ「最強モテ女」のプロデュース
現実にはかなり無理っぽい気がして
イマイチ共感はできませんでした
胸に違和感を感じ、病院で検査を受けたマグダ(ペネロペ)は
すでにステージ3の乳がんと判明
治る確率は7割、マグダは抗がん剤治療と乳房切除の手術を受けます
その間、夫は若い女と旅行に出かけたきりの別居状態
ひとり息子でサッカー少年のダニ(テオ・プラネル)は従兄弟の家に預け
妻子を亡くしたレアル・マドリッドのスカウトマン
夏が過ぎて新年を迎えます
そのときの検診で、がんが転移していることがわかり
余命6か月とフリアン医師に宣告されてしまいます
そんな時アルトゥーロの子を妊娠してしまったマグダは
どうにか9か月生きて、赤ちゃんを産む決意をするのです
私的に共感できなかったポイント
その1は、アルトゥーロが娘と奥さん亡くしてからの切り替えが早すぎ
その2、マグダが乳がんの検診に勝手な自己都合で行かないこと
その3、熱唱ドクターフリアンとの距離感が近すぎて違和感あり
ビーチの会いに来てまでの診察もやりすぎで
腹の子の親も本当はフリアンの子かと思ってしまうほど
アルトゥーロが嫉妬しないのが不思議
その4、息子のサッカーがうますぎる、母親の恋愛に理解がありすぎる
その6、末期がん&妊婦とは思えない無茶ぶり
その7、オチは「スリーメン&ベビー」(1987)か!
その8、新生児の世話は甘いものではない、美化しすぎ
番外、ペネロペが「ワンピース」のロビンに似ている(笑)
実際のペネロペがそうなのかも知れませんが
男がみんなヒロインに惚れてるように見える一方で
女友達はひとりもいません
(こんなのが友達だったら、彼氏や旦那取られちまうな)
マグダがこんなにも女の子に執着するのには
やはり女性としての気持ちをわかりあえる誰かが
欲しかったのかも知れませんし
ペネロペ本人のお子さんが、上が男の子と下が女の子なので
感情移入しやすさもあったのでしょう
それでも息子と生と死について語り合うシーンには
母親の強さと愛情を感じて感動的でした
たとえ命が短くても、そうでなくても
愛する人が、より良い人生を歩めるように
アドバイスができる人間になりたいですね
次から次へと助けてくれる男性が現れる可能性は少ないので(笑)
まずはセルフチェックと定期的な婦人科検診は
欠かさないことが賢明だと思います
【解説】映画.comより
ペネロペ・クルスが乳がんと闘う母親役を熱演したヒューマンドラマ。幼い息子を女手ひとつで育てる失業中の教師マグダは、乳がんと診断され右胸を切除することに。そんな折、息子を応援しにサッカー場を訪れたマグダは、交通事故で妻子を亡くした男性アルトゥーロと出会い、互いに惹かれ合っていく。アルトゥーロや息子と一緒に幸せな時間を過ごすマグダだったが、やがて乳がんが再発したことがわかり……。アルトゥーロ役に「ザ・ウォーター・ウォー」のルイス・トサル。「ANA+OTTOアナとオットー」のフリオ・メデムが監督・脚本を手がけた。