あなたのママになるために(2015)



原題は「Mama

スペイン語mamaは「ママ」と同時に、「乳房」という意味もあるそうで

cancerde mama」は乳がん」のこと


女性特有のがんといえば、乳房や子宮の切除

抜け毛といった、女性そのものの象徴を失う辛さもある病気

出産もまた女性にしか経験のできないこと

そんな女性ならではの主題をペネロペ・クルスが製作・主演した意欲作


とはいえ「最強モテ女」のプロデュース

現実にはかなり無理っぽい気がして

イマイチ共感はできませんでした




胸に違和感を感じ、病院で検査を受けマグダ(ペネロペ

すでにステージ3乳がんと判明

治る確率は7割、マグダは抗がん剤治療と乳房切除の手術を受けます


その間、夫は若い女と旅行に出かけたきりの別居状態

ひとり息子でサッカー少年のダニ(テオ・プラネル)は従兄弟の家に預け

妻子を亡くしたレアル・マドリッドのスカウトマン

アルトゥーロと惹かれあいます




術後の経過は順調で、アルトゥーロと家族同然の暮らしをし

夏が過ぎて新年を迎えます


そのときの検診で、がんが転移していることがわかり

余命6か月とフリアン医師に宣告されてしまいます

そんな時アルトゥーロの子を妊娠してしまったマグダは

どうにか9か月生きて、赤ちゃんを産む決意をするのです




私的に共感できなかったポイント

その1は、アルトゥーロが娘と奥さん亡くしてからの切り替えすぎ

その2、マグダが乳がんの検診に勝手な自己都合で行かないこと

その3、熱唱ドクターフリアンとの距離感が近すぎて違和感あり

ビーチの会いに来てまでの診察もやりすぎで

腹の子の親も本当はフリアンの子かと思ってしまうほど

アルトゥーロが嫉妬しないのが不思議




その4、息子のサッカーがうますぎる、母親の恋愛に理解がありすぎる
その5、シベリアのナターシャは結局何者?(妄想?幽霊?)

その6、末期がん&妊婦とは思えない無茶ぶり
その7、オチは「スリーメン&ベビー」(1987)か!

その8、新生児の世話は甘いものではない、美化しすぎ




番外、ペネロペが「ワンピース」のロビンに似ている(笑)


実際のペネロペがそうなのかも知れませんが

男がみんなヒロインに惚れてるように見え一方で

女友達はひとりもいません

(こんなのが友達だったら、彼氏や旦那取られちまうな)




マグダがこんなにも女の子に執着するのには

やはり女性としての気持ちをわかりあえる誰かが

欲しかったのかも知れませんし


ペネロペ本人のお子さんが、上が男の子と下が女の子なので

感情移入しやすさもあったのでしょう




それでも息子と生と死について語り合うシーンには

母親の強さと愛情を感じて感動的でした


たとえ命が短くても、そうでなくても

愛する人が、より良い人生を歩めるように

アドバイスができる人間になりたいですね




でも大抵の女性にはペネロペのように

次から次へと助けてくれる男性が現れる可能性は少ないので(笑)

この作品に影響されることなく


自分の健康はできるだけ自分で守り

まずはセルフチェックと定期的な婦人科検診は

欠かさないことが賢明だと思います



【解説】映画.comより

ペネロペ・クルス乳がんと闘う母親役を熱演したヒューマンドラマ。幼い息子を女手ひとつで育てる失業中の教師マグダは、乳がんと診断され右胸を切除することに。そんな折、息子を応援しにサッカー場を訪れたマグダは、交通事故で妻子を亡くした男性アルトゥーロと出会い、互いに惹かれ合っていく。アルトゥーロや息子と一緒に幸せな時間を過ごすマグダだったが、やがて乳がんが再発したことがわかり……。アルトゥーロ役に「ザ・ウォーター・ウォー」のルイス・トサル。「ANAOTTOアナとオットー」のフリオ・メデムが監督・脚本を手がけた。