ストロベリーショートケイクス(2006)




溝口健二がもし現在に存在していて撮ったなら

面白くなったかも知れないですけど(笑)


鬱も、エロも、女同士の確執も好きなテーマですが

全く共感できず(笑)


自分で作り出している、不幸な自分に

酔っている依存症の女にしか見えませんでした




彼氏にフラれた里子池脇千鶴は、デリヘルで電話番をしています

ある日隕石のような石を拾い、それを神様だと神棚を作り供えます

そして店長に言い寄られて困っていた里子は、その石に

「店長は死ねばいい」と願を掛けるのです




里子と同じ店で働くデリヘル嬢の秋代(中村優子)は

菊地(安藤政信)という、男の飲み友だちのことが大好きで

口実をつけては会っていましたが

菊池には長年付き合っている恋人がいました

秋代は酔った勢いで迫り、ついに菊池と関係を持ちます

でもそのセックスは、客とするよりも虚しいものでした




OLをしているちひろ中越典子)と

イラストレーターの塔子(魚喃キリコ=原作者の漫画家)は

ルームシェアをしている同居人ですが、お互いのことを良く思っていません





ちひろは恋に生きる女で、同僚で恋人の永井(加瀬亮)に夢中

やがて結婚をちらつかせ、しつこい電話、家に押しかけては手料理

永井はだんだんちひろの存在が重くなってきます

永井の心変わりに薄々気が付きながら、それでも健気に尽くすちひろ

結局破たんしてしまうわけですが

それでも表面上は明るく振舞ってしまう性



塔子は売れっ子イラストレーターですが

「神様のような絵」という仕事を依頼されてからスランプ中

プライドが高すぎて、自分の絵を少しでも否定されたら気に食わない

そのうえストレスで食べ続け、吐くという過食症を患っています


ちひろが飼っているハムスターを塔子が放置して

死なせたことをきっかけにふたりは大喧嘩

しかも塔子が精魂込めて描いた絵を編集者に紛失

だけどトイレで吐く塔子を見て、ちひろは彼女を抱きしめ

和解します




里子は、妊娠して田舎に帰ることにした秋代の故郷について行き

一方、仕事を辞めて実家に帰ることにしたちひろ

それを見送りにきた塔子も、成り行きで一緒に田舎にやってきます


4人が偶然同じ場所に集まるシーンで、物語は幕を閉じます




秋代とちひろは、デリヘルと真面目なOLという
職業は違えど同じ種類の人間

好きな男に一途すぎて、逃げられてしまう


今は完治したかどうかわかりませんが、私にも過食症の友人がいて

20代の頃には一緒に外食しても、そのあとすべて吐いてしまうのです

「太りたくない」のが一番の理由に思えましたが


昼食べ過ぎたら、夜減らせば、明日減らせば

いいじゃないのコントロールができない

小学校からずっと首席で卒業して

「庁」のつく職場の国家公務員様になったというのに




そう思うと、男に捨てられても逞しく生きる

憎き店長を願掛けで殺す?里子が一番まともに見えます


だからって、この映画の言いたいことは何だったのかな?

ラストで苺のショートーケーキを食べるというこじつけ


やっぱり最後まで共感できませんでした




【解説】allcinemaより

人気漫画家・魚喃キリコの同名コミックを映画化した切ないガールズ・ストーリー。性格も職業も異なる4人の女性が、それぞれに都会の片隅で自らの居場所を求めてけなげに生きる姿を優しいまなざしで見つめる。主演は池脇千鶴中越典子中村優子、岩瀬塔子。監督は「三月のライオン」「花を摘む少女と虫を殺す少女」の矢崎仁司
 大失恋を乗り越えて新たな恋の訪れを待ちわびるフリーターの里子。そんな彼女のバイト先はデリヘル店“ヘブンスゲイト”の電話番。彼女が密かにあこがれる店のナンバー1、秋代はお金を貯めて5階以上のマンションを購入しようと考えている。一人の男を一途に愛する彼女だったが、決して一緒にはなれないと覚悟を決めていた。一人で生きていくためにマンションを買い、そしてボケそうになったら飛び降り自殺しようと決意していた。一方、イラストレーターの塔子はプライドが高く、男に愛されることが全てと考える事務OLのルームメイト・ちひろの生き方に嫌悪感を抱いてしまう…。