「爆発まであと3分です」
「爆発まであと2分です」
「爆発まで・・・」
未知なる細菌の真相を解き明かすSFサスペンスのタイムリミットもの
視覚化できない謎の病原菌の脅威をどう表現するのか
古臭さはありましたが、これは面白かったです
原作はマイケル・クライトンの「アンドロメダ病原体」
ハーバードで医学博士号を所得しているだけあって
この作品でも「酸化的燐酸化反応」とか「オッドマン仮設」といった
専門的な用語が理論が出てきてチンプンカンプンなのですが
やたら説得力があるし、電子書籍など先見の明もあります
執筆当時は27歳の若さで、この映画化をきっかけに
映画会社に自分を売り込みに行き
「ウェスト・ワールド」(1973)の監督契約まで結んでだそうです
その機体に付着していた未知なる細菌により町の住民は全滅
その中でアル中の老人と、赤ちゃんの2人だけが生き残っていました
政府は原因究明のために、ストーン、ダットン、ホール、レヴィットの
4人の科学者を地下研究所へ招集します
科学者たちは病原体の正体を解明し
そしてアンドロメダ病原体が血液PHの狭い範囲でしか
生存できないという結論を見出します
しかしその直前、施設内に病原体が漏れ出してしまい
猶予は5分間
しかも自爆装置を解除する鍵を与えられているのは
4人の中でホール博士ただひとりだったのです
冒頭の死に絶えた村がよくできています
電子顕微鏡やマジックハンド、感染防止用のスーツなど
ひとつひとつのアイテムやセットも、仕事の丁寧さが伝わります
ハイテクな機器が、ローテクな理由でトラブルに陥ってしまうのも
ドキュメンタリー風で、実際にありそうな事故
さすがロバート・ワイス、職人監督と呼ばれるだけのことはあります
実験室で猿とネズミが感染して死んでしまうのは
すぐに酸素マスクで回復させたそうです
今はこういう地味でも味のある映画がなくなった気がします
もっと上位ランキングされてもいい名作でしょう
赤ん坊とアル中の老人の二人を除いて全滅した中西部の田舎町。墜落した人工衛星に付着した未知の細菌が原因である事を突き止めた科学者達は事態の対策を図るが……。マイケル・クライトンの『アンドロメダ病原体』を原作に、周到なディティールと徹頭徹尾なドキュメンタリー・タッチで迫るリアルなSF映画。主要登場人物は全て科学者で舞台も地下研究室だけ、地味と言えばこれ以上地味な物はないが、徐々に細菌の正体が判明して行く過程とクライマックスのサスペンスは映画的な面白さに満ち溢れている。