私の頭の中の消しゴム(2004)



「許しとは、心の部屋を1つ空けること」


私の涙腺に触れる事無く終ってしまいました

若年性アルツハイー型認知症について考えるきっかけにはなりました

もし自分が、もし愛する家族が認知症になったらどうするか


私の母親なども物忘れが多くなってきて

同じことを何度も繰り返して言います

でも「もう年」ですし、いざとなったら

あらゆる介護サービスも受けれるでしょう




だけれど若年性アルツハイマーの場合、老人とはわけが違う

厚生労働省:若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生

によると日本の若年性アルツハイマー患者数は約37,800

多くの介護者が経済的困難になり

家族介護者の約6割が抑うつ状態になるというのです


ここでも発症したヒロインよりも

彼女を介護する夫の方が辛く描かれています




上司と不倫関係にあったスジンソン・イェジン

しかし彼は駆け落ちの待ち合わせ場所に来ませんでした
絶望した帰り道のファミマで偶然出会ったチョルス(チョン・ウソン)に

自分のコーラを奪われたと勘違いしてしまい一気のみ


偶然にもチョルスは父の会社で働く大工でした

そしてスジンは不愛想だけど仕事の出来る

チョルスのことが好きになってしまいます




ここからややしばらくラブラブモードが長い()

料理を焦がしてしまうのも、お弁当がW白飯なのも

スジンの物忘れがかえって愛おしい


ただ、チョルスが建築家の試験に合格して

だんだんお洒落なセレブっぽくなっていくのは気に食わない

ここは最後まで薄汚い大工姿でいて欲しかった

イイ男は絶対に汚れた姿の方がセクシーなんだよ()




さすがに帰り道までわからなくなるようになり

スジンは病院に診察に行きます

そこでの診断は若年性アルツハイマーでした


まず、時間がわからなくなる、場所がわからなくなる

そして人物がわからなくなる

文字で記憶をたどるため、家中に貼られたメモ




スジンの元不倫相手が部屋にいたとき

チョルスは男を死ぬほど殴ります

もしかして本気で殺すつもりだったのかも知れません


チョルスは介護で疲れていたのだと思います

そのストレスが不倫相手を見たことでブチ切れてしまった

全ての怒りをぶつけてしまったのです


若年性アルツハイマーは進行が早いという

いくら愛していても

重症化していくスジンの姿を受け入れるのは辛い


そしてスジンの記憶がふと戻ったある日

彼女はチョルスに手紙を残し、介護施設に入ります




この手紙を読むシーンが、やはり一番の見せ場

ありえないほど純粋で揺らぎのない愛情に感動するのです


ただラストのファミマはちょっと作りすぎかな(笑)

わざとらしくなってしまったのが残念


でも見終えたあとは、楽しかったこと、嬉しかったこと

大好きな人たち、大切な思い出をちゃんと覚えておきたい

そんな気持ちが込みあげてきます


たとえアルツハイマーじゃなくても




【解説】allcinemaより

MUSA -武士-」のチョン・ウソンと「ラブストーリー」「四月の雪」のソン・イェジン共演による切ない純愛物語。若年性アルツハイマーという難病に冒され少しずつ記憶を失い、愛する人さえも頭の中から消えていく運命にあるヒロインと、そんな彼女をまっすぐな気持ちで受け止め支え続ける夫との不滅の愛を美しく感動的に描く。
 建設会社の社長の娘スジン。彼女は妻ある男性と不倫の関係にあったが、ついに破局を迎える。その夜、傷心のまま彷徨っていた街で一人の男性チョルスと出会う。その時は気づかなかったが、彼こそスジンの運命の人だった。やがて再会した2人は、ほどなく恋に落ち、幸せの中結婚する。甘い新婚生活に浸る2人だったが、いつの頃からかスジンの物忘れが度を越したものとなっていく。心配になって医者に診てもらったところ、若年性アルツハイマーという思いもよらぬ診断結果を告げられるのだった。