ナチュラル(1984)



「前にもどこかで会わなかった?」


ナチュラ(natural)は「天性の才能の持ち主」ということ

感覚的には「フィールドオブドリームス」(1989)に

似ている気がします

どうしても野球をやりたい選手が、あの世からもどってくる

それか無念の死の前に見た、一瞬の夢


私的にはそういう解釈が一番しっくりするのですけれど

しかし、どの解説にも「幽霊説」はありませんでした()



ネブラスカの静かな田舎町

幼い頃から野球の才能に恵まれていたロイ(レッドフォード)は

20歳になったとき、幼馴染のアイリス(グレン・クロース)に

結婚を申し込み

シカゴ・カブスのトライアウトを受ける為に

スカウトマンとシカゴに向います


途中、有名スラッガーに難癖をつけられ3球勝負をしますが、見事に三振

そのスラッガーの連れで、ハリエットと名乗る美女から突然呼び出され

拳銃で撃たれてしまうのです




それから16年後、突如35歳になったロイが現れ

ニューヨーク・ナイツのルーキーとして神がかりな活躍をします

しかし女好きは治っておらず()

メモ・パリス(キム・ベイシンガー)の虜になってしまい

スランプに陥ってしまうロイ




そんなある日、スタンドにかって愛を誓ったアイリスの姿がありました

その時からまた、ロイはホームランを打てるようになります


ところが今度はオーナーと判事が

16年前ハリエットに撃たれた現場写真をつきつけ

ばらされたくなかったら、試合に負けて欲しいと裏取引を申し出るのです




この現場写真、どう見ても死亡写真じゃないですか()

もし生きていたなら、写真を撮る前に病院に運ぶはず

婚約者であるアイリスにもスカウトマンから連絡がいくはずです


しかしロイはオーナーとの取引には応じず

ホームランを打ち、ナイツを優勝へと導きます

「がんばれベアーズ」じゃないんだから()

それだけで簡単に優勝できるものなの?()




そして田舎でキャッチボールをするロイとアイリスの息子の姿

少年はアイリスと16年前の結婚を誓った日の子だったのです


なんというご都合主義な展開なのでしょう()


しかしこんなクソ映画でも、美しくドラマチックに見える

キャレブ・デシャネルの画面の奇跡

不思議なことにファンタジー映画でも見たあとのような

幸せな気分になれるのです()




【解説】allcinemaより

若くして野球の天才と呼ばれるが、凶弾によって球界入りを遅らされ、35歳にして“奇跡のルーキー”として活躍する事になった男ロイ・ホッブス。その男の半生を、ある時は詩情豊かに、またある時はドラマティックに描き、同時に、古き良きアメリカの時代をも浮き上がらせた名編。1920年代から30年代という時代背景もあってノスタルジックな雰囲気が全体を覆っているが、勇気と信念を貫く主人公の姿が、かつてジェームズ・スチュワートが演じたような“アメリカン・ヒーロー”にダブる事こそ、この作品がどこか懐かしく、素敵に感じられる要因だろう。レッドフォードはまさにうってつけのキャスティングであった。R・ニューマンのスコアも感動的