大空港(1970)




の前に作られた70年代パニック映画の先駆け


といってもタイトルの通り舞台は「大空港

空港の整備や設備、セキュリティなどの問題点をテーマにしながら

パニックそのものより、様々な人間模様を重点に描いています


それぞれの登場人物の私生活を描きながら

その人物が同じ場所に集まってくる

伝統的なグランドホテル形式の採用


オールスターキャストの使用

そして、ハッピーエンドと言い切れないラストの余韻




CGSFXもない時代、飛行シーン模型で少し残念なものですが

その代わり、地上でのシーンは本物の飛行機や

ブルドーザーを使っているので

派手なものではありませんが迫力があります

整備士役のジョージ・ケネディはこの作品が最高


爆弾が爆発するシーンも本当に爆破させたそうで

女優(さすがにスタントか)も命がけではなかったのでしょうか


機長と不倫し妊娠中の客室乗務員

旅客係役のジーン・セバーグ髪型制服がとっても可愛い

やっぱりイーディス・ヘッド女史




猛吹雪でリンカーン国際空港

着陸に失敗した旅客機が雪に突っ込み滑走路を塞いでしまいました

リンカーン空港のジェネラル・マネージャー(バート・ランカスター)と

トランス・グローバル航空旅客係のタニア(ジーン・セバーグ)は

空港の機能維持のために狂奔しています


画面が分割されるのもこの作品が最初でしょうか

電話のシーンではワンカットずつ映しだすのではなく

会話の様子をまとめてみせるというアイディア




そんな混乱の中、機長(ディーン・マーティン)が

操縦する大型旅客機がローマに向けて何とか離陸します

しかしその旅客機には密航の常連である老婆と
爆弾を持ち込んだ男性(ヴァン・ヘフリン)が搭乗していたのです


機長の説得も虚しく、男はトイレで自爆自殺

グエンは爆破によって大怪我をしてしまい、機体には穴

旅客機はリンカーン空港に引き返すことになります




空港に戻った乗客ひとりひとりに謝る

爆破男の妻(モーリーン・ステイプルトン)が哀れ


一方夫を心配して迎えに来た、機長の妻

しかし機長はグエンとの不倫愛に目覚め

妻には見向きもせずグエンに付き添い去ってしまうのです

すべてを察したように立ち尽くす、切ない妻の顔


無事仕事を終えたマネージャーはタニアに

君のアパートで一杯やらないかと誘います

そして車に乗り込む


オイ、オイ、アンタも奥さんから三行半下されたけれど

まだ正式に離婚したわけじゃないんだから()

ここ、不倫映画で終わらせていいんかい



結局、密航お婆ちゃんが招待された旅客機に乗り込むとき

「いつもの方が楽しいわ」とぼやくシーンに全部もっていかれました




【解説】allcinemaより

ローマ行きの旅客機内に、爆弾が持ち込まれているという通報が入った。機長と主任スチュワーデスは、爆弾の入ったアタッシュ・ケースを確保しようとするが、犯人は爆弾もろとも自殺してしまう。そしてその衝撃で、旅客機の胴体に亀裂が入り、空中分解の危機が訪れる。急遽、旅客機はケネディ空港へ向けて転回するが、空港は猛吹雪のため一切の機能を停止していた……。未曾有の危機をサスペンス豊かに描いた航空パニックの傑作。大惨事を防ごうと努力する人々の描写(プロフェッショナル!)もさることながら、爆死によって保険金を得ようとするV・ヘフリンの描写もいい。本作から派生した“本物の”エアポート・シリーズは「エアポート'75」「エアポート'77/バミューダからの脱出」「エアポート'80」と続く。