ワーテルロー(1969)




「なぜ我々は殺し合わなければならぬのだろうかなぜなのか

敗戦の次にみじめなのは勝った者だ」



凄い映画でした

構想に約9年、映画の完成までに2

ソ連2万人、ユーゴスラビア8千人エキストラ

1500製作費3000万ドル(108億円)


ナポレオンはフランス人俳優ではなくロッド・スタイガー

ルイ18世はオーソン・ウェルズ

ウェルズリー公爵はクリストファー・プラマー

監督と脚本は「オセロ」(1956)戦争と平和(1966)

セルゲーイ・ボンダルチューク

音楽は名匠ニーノ・ロータ


ここまでできるのは、さすが凄腕プロデューサー

ディノ・デ・ラウレンティスと言わざるを得ません




18144反ナポレオンの連合軍によってパリは陥落

ナポレオンは皇帝を退位、エルバ島に向かいます

ところが、それから10ヶ月後の18153

ナポレオンは突如1000人の兵を率いて島を脱出しフランスに上陸

ルイ18世を追放して再び皇帝の座に返り咲きました


ナポレオンの復活にイギリス・オランダ連合軍や

プロセイン(現ドイツ)は直ちに宣戦布告します

ナポレオンは両軍を叩くため大軍を率いて

ブリュッセルへの進軍を開始しました

フランス軍来襲を知ったイギリス軍司令官ウェルズリー公は

ワーテルローの地でフランス軍を迎え撃つ作戦を立てるのです


そして迎えた1815618
ワーテルローの戦い」の火蓋は切って落とされました



パノラマ空撮で見る両陣営の布陣圧倒的

騎馬兵突撃シーンも見事

絵画のような美しさで、額縁に入れて飾りたいくらいな光景


この時代の戦争は、兵隊はまさに”駒”であり

隊列を組んで、先頭が銃の餌食になりながら進撃するというもの

しかも両軍10万人規模の歩兵同士が何日もかけて会戦するのです

疲労もするし、空腹にだってなるはず

そして想像を絶した数の死体の山ができあがっていくのでしょう




戦いの流れは完全にフランスが握っていいました

しかし一瞬、ナポレオンが体調を崩し寝込んでしまった隙に

プロイセン軍が到来するまで時間稼ぎとして

一時的に後退をさせたウェルズリー公

ネイ元帥はイギリス軍が撤退を開始したと勘違いしてしまいます


一気に勝負をかけ、戦線の中央に位置するラ・エイ・サンテの農家占領

フランスの勝利を確信します




しかしブリュッヒャー元帥率いるプロイセン軍到達すると戦局は一転

ラ・エイ・サンテの農家はイギリス軍に奪還さてしまいます

ナポレオンは戦線を離脱してパリへ逃れ

降伏勧告に応じなかったフランス部隊は、壮絶な全滅を遂げてしまいます


どちらに片寄ることなく、ひとつの戦いの中に
両国の戦況と戦略を入れているのがいいです


脚し一世風靡を過ぎても英雄視され

民衆から愛されているナポレオンは、このとき46

しかし胃潰瘍と胃癌をナポレオンが患っていたという

確かな科学的事実があるということで

40歳を迎えたころから、体調不良にはかなり悩まされたそうです




後半のドラマ性は、ナポレオンよりも
ウェルズリー公に重点が置かれたと思います

自分の想いや感情や動揺は決して見せない紳士らしさと

たとえ敵であっても相手の考えを尊重する礼儀

クリストファー・プラマーは上流階級の社交界らしさを

ナポレオンとは違う生まれと育ちというかたちで

うまく演じていたと思います


ソ連版オリジナルはさらなる大作ということ

存在しているのならぜひ見てみたいものですね


ロッド・スタイガーはたしかに私たちの想像する

ナポレオンの顔ではありませんでしたが(笑)

今では絶対作ることのできない傑作に間違いないでしょう




【概要】ウィキペディアより

1815年6月18日に行われたワーテルローの戦いを主題にした映画。フランス皇帝ナポレオンとイギリス軍司令官ウェリントン公の戦いを描く。早朝から夕方までの戦況の変化を克明に描写、イギリス軍拠点ウーグモンへの攻撃に始まり、フランス歩兵の前進、イギリス竜騎兵の突撃と全滅、フランス騎兵の突撃とイギリス軍方陣の戦闘、フランス近衛兵の投入と全滅などが細かく描かれている。
撮影には当時のソ連軍が全面協力し、英独蘭仏合わせて総勢20万の大軍が激突した戦いをCGでは表せない奥行きのある合戦シーンで再現した。ナポレオンを題材にした映画では、トルストイ原作でソ連が映像化した『戦争と平和』に並ぶスケール感を持つ。
イタリアの著名プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスソ連・モスフィルムと組んで制作したが、全世界のマーケットを視野に入れたため、キャストには欧米の一流俳優が起用された。ソ連オリジナル全長版は240分の上映時間。