敗戦の次にみじめなのは勝った者だ」
凄い映画でした
構想に約9年、映画の完成までに2年
馬は1500頭、製作費は3000万ドル(108億円)
ナポレオンはフランス人俳優ではなくロッド・スタイガー
ルイ18世はオーソン・ウェルズ
ウェルズリー公爵はクリストファー・プラマー
監督と脚本は「オセロ」(1956)「戦争と平和」(1966)の
音楽は名匠ニーノ・ロータ
ここまでできるのは、さすが凄腕プロデューサー
ディノ・デ・ラウレンティスと言わざるを得ません
ナポレオンは皇帝を退位、エルバ島に向かいます
ところが、それから10ヶ月後の1815年3月
ナポレオンは突如1000人の兵を率いて島を脱出しフランスに上陸
ルイ18世を追放して再び皇帝の座に返り咲きました
ナポレオンの復活にイギリス・オランダ連合軍や
プロセイン(現ドイツ)は直ちに宣戦布告します
ナポレオンは両軍を叩くため大軍を率いて
ブリュッセルへの進軍を開始しました
フランス軍来襲を知ったイギリス軍司令官ウェルズリー公は
騎馬兵突撃シーンも見事
絵画のような美しさで、額縁に入れて飾りたいくらいな光景
この時代の戦争は、兵隊はまさに”駒”であり
隊列を組んで、先頭が銃の餌食になりながら進撃するというもの
しかも両軍10万人規模の歩兵同士が何日もかけて会戦するのです
疲労もするし、空腹にだってなるはず
そして想像を絶した数の死体の山ができあがっていくのでしょう
しかし一瞬、ナポレオンが体調を崩し寝込んでしまった隙に
プロイセン軍が到来するまで時間稼ぎとして
一時的に後退をさせたウェルズリー公を
ネイ元帥はイギリス軍が撤退を開始したと勘違いしてしまいます
一気に勝負をかけ、戦線の中央に位置するラ・エイ・サンテの農家占領
フランスの勝利を確信します
ラ・エイ・サンテの農家はイギリス軍に奪還さてしまいます
ナポレオンは戦線を離脱してパリへ逃れ
降伏勧告に応じなかったフランス部隊は、壮絶な全滅を遂げてしまいます
民衆から愛されているナポレオンは、このとき46歳
しかし胃潰瘍と胃癌をナポレオンが患っていたという
確かな科学的事実があるということで
40歳を迎えたころから、体調不良にはかなり悩まされたそうです
自分の想いや感情や動揺は決して見せない紳士らしさと
たとえ敵であっても相手の考えを尊重する礼儀
クリストファー・プラマーは上流階級の社交界らしさを
ナポレオンとは違う生まれと育ちというかたちで
ソ連版オリジナルはさらなる大作ということ
存在しているのならぜひ見てみたいものですね
ロッド・スタイガーはたしかに私たちの想像する
ナポレオンの顔ではありませんでしたが(笑)
今では絶対作ることのできない傑作に間違いないでしょう
【概要】ウィキペディアより