それでもモンティパイソン組のテリー・ジョーンズによる脚本は悪くない
奇想天外なクリーチャーも愛嬌があって楽しい
監督は「セサミ・ストリート」で有名なマペット操作師ジム・ヘンソン
デビッド・ボウイの歌も時折挿入されていてファンにも嬉しい
マイクを持って突然歌い出すという奇抜さに
ピチピチタイツの歌舞伎っぽい衣装でも、ボウイ様だとなぜかキマる(笑)
赤ちゃんと戯れる姿も可愛すぎです
愛読書「ザ・ラビリンス<迷宮>」で、ひとり演劇をしています
ある夜、継母から弟トビーの世話を任されてしまうサラ
そこで泣き止まないトビーに腹を立てたサラは
ラビリンスの呪文で「居なくなれ」と唱えてしまったのです
すると本当に魔王ジャレス(ボウイ様)が現れて
しかも13時間以内にジャレスの城まで来ないと
トビーをゴブリンにするというのです
サラは自分の過ちに気が付き、トビーを助けるため城へと向かいます
炎の狼ファイアリーズ、迷宮の守護神ヒューモンガス
独眼の戦士サー・ディディモンス、岩を呼ぶモンスターのルドの協力を得て
ついに城にたどり着き、ジャレスと対決することになります
まあ、ヒロインがわがままで(笑)
でも、自分も忘れてしまっただけで
このくらいの年頃はこうだったかも知れません
サラとジャレスに振り回されるホルグ
だけどゴブリンはみんな、ちょっとオバカだけどやさしい
そしてサラに愛さえも訴えます
だけれどトビーを救うため、サラは再びラビリンスの呪文を唱えます
「あなたに支配されはしない」と
気が付くとサラとトビーは自分の部屋に戻っていました
誰にでもある意地悪や自分勝手
弟の面倒にイライラして、彼など消えていなくなればいいと思った
そして迷宮で出会ったゴブリンたちもまた彼女の一部なのです
困った人を助けたい、未熟だけれどそんなやさしい気持ちと
大切な人のために悪に立ち向かう勇気を持っている
心の中の善と悪が戦って、サラの良心が勝ったのです
その瞬間魔王と魔宮は消え去ってしまった
残ったのはやさしく楽しいゴブリン達
(私なら1000%ボウイ様についていくがな)
これからは弟の面倒を見て、継母ともきっと仲良くしていくでしょう
家族の、仲間の大切さを知ったのです
今の多くの子どもたちにとっては古臭いだろうし
特撮もチープに見えるかも知れないけれど
奥が深く、意外と侮れない作品だと思います
子どもたちがもっと小さい時に、一緒に見ておけばよかったと
【解説】allcinemaより
幼い弟の子守をしていた少女サラ。泣き続ける弟に腹をたてたサラは、こんな弟なんかいらない、と叫んでしまう。その声を聞いたゴブリンの王ジャレスは、サラの希望通り、赤ん坊を連れ去った。サラはあわてて、ジャレスの居る妖精界の城へ、弟を取り戻す冒険に旅立つ……。D・ボウイの歌に乗せておくる、ミュージカル風メルヘン。妖精界の生物はジム・ヘンソンによるマペット。