想い出のスティーヴ・マックィーン(1990)





孤独な非行少年から成り上がった男
男はすべてライバル女は永遠に解けない謎
心を許せるのは子供だけ

無謀に生きた男反抗的で扱いにくい一匹狼。
だが、スクリーンでの輝きは絶対だ
一時期を築いた、本物のスター
彼の名はスティーヴ・マックィーン

(最初のナレーションより)


スティーヴ・マックィーンが出演した代表作の名場面

関係者の証言を交えて彼の素顔に迫るドキュメンタリー

語り ジェームズ・コバーン

主演 ニール・アダムス チャド・マックィーン ノーマン・ジェイソン チャック・ノリス





スティーブ・マックイーン、かっこいいですよね()

どこからどう見ても、かっこいい

何をしても、かっこいい


6070年代は「キング・オブ・クール」と呼ばれ絶大な人気を誇り

米空軍フライトジャケット「MAー1」デニム「LEVI’S501」など

マックイーンが映画の中で着たものは多くの男性が真似したそうです





1930インディアナ生まれ

生後6か月で父親に捨てられ、アルコール依存症の母親によって

ミズーリの叔父に預けられます

叔父は平等で親切な人だっだそうですが

8歳の時再婚した母親のもとに戻ることになります

しかし生活になじめず、継父ともあわず悪さをするようになり

14歳で少年院入り

16歳で出所し職を転々としたあと17歳で海兵隊に入隊

20歳で名誉除隊し、女の子目当てで俳優を目指すようになり

22歳頃から劇に端役で出演するようになり


そして「傷だらけの栄光」(1956)で共演したポール・ニューマン

強いライバル心を抱くようになったそうです





1956年に交際4ヶ月で結婚したという最初の

ニール・アダムスの功績は大きいと思いますね

彼女の方が売れっ子であるにもかかわらず、妻の仕事もこなし

気難しく映画関係者から敬遠されがちな夫の仕事まで世話をする

世にいう「あげまん」というやつでしょうか


数々の浮気のことや、悪口などひとことも言わない

関係者も「マックイーンは女にモテる」と断言します

だけれど「奴が信頼しているのはニールだけだ」と


ニールのアドバイスによってマックイーンは役者としての頭角を現します

それは「”目線をはずしニヤリと笑う”しぐさ」

どうしたら自分が魅力的に見えるのかを学び

ジェームス・ディーンやマーロン・ブランドの二番煎じでなく

マックイーンらしいスタイルを確立します





28歳のとき「拳銃無宿」(1958~61)でスターの仲間入りを果たし

彼の伝説が始まるのです


そしてジョン・スタージェスと出会い

「荒野の七人」(1960)大脱走」(1963)という傑作を生みだしました




マックイーンのプライベートは全く知りませんでしたが

もの凄い子煩悩だったとは意外です

ニールと離婚したあともそのことは変わらず

子どもたちは寂しい思いをしたことがないというのです


そしてオートバイに対しても映画以上の愛情をもっていたことがわかります

レースはマックイーンがマックイーンに戻れる瞬間

だけれど「大脱走」でオートバイで鉄条網をジャンプする有名なシーンは

友人のバド・エキンズがスタントしたものだとか





そのため「ブリット」(1968)の時のバド・エキンズのスタントを見た時

「どうやったんだ?」と何が何でも

自分でスタントをやるときかなかったそうです

大脱走」のとき「あれは僕じゃないあれはバド・エキンズだ」

説明するのがいやだったとか()


チャック・ノリスと親交があったのも驚きました

実は本格的にアクションに取り組んでいたのですね


「栄光のル・マン」(1971)の失敗や
そしてお蔵入りとなってしまった「民衆の敵」(1978製作は1976)
遺作「ハンター」(1980)彼の主演作が語られていきます



民衆の敵」は未見ですが、社会派の良作のように思えますし
風貌を変えるというのは、今では高く評価されることです
アカデミー賞を受賞したのは1980年
アクション俳優、マックイーンの早すぎた挑戦だったのでしょうか



50歳での死も早すぎでしょう
彼の葬式には3人の妻が揃って参列したそうです
最後まで女性にはモテていたのでしょうね(笑)


マックイーンの主演作と生き様をざっとおさらいできる
マックイーン入門書としてよかったと思いますし
ムービーファンなら見て損はないでしょう


ただし映像は覚悟が必要なほど
悪かったですけれど(笑)
画像はすべて作品によるものではありません