映画 深夜食堂(2014)

 

人気シリーズのうえ、評価も高かったのですが
原作の漫画も読んでいなく、テレビ版も見たことがないので
背景がわからないせいか、私はもうひとつ入り込めませんでした
ただし、雰囲気はいいと思います
 
 
新宿のゴールデン街など、小津作品に出てくるような
昭和レトロなお店がたくさんありますよね
いつか入ってみたいと思いますし(たぶん希望は叶わないだろうけど)
そういうお店は、新宿の夜を、そこで働く人々を
知り尽くしている気がするのです
 
 
 
 
 
歌舞伎町で、夜12時から朝7時まで営業している「めしや」
馴染みの客はその店を、「深夜食堂」と呼びます
メニューは「豚汁定食600円」「酒(二合)500円」「ビール(大)600円」

「焼酎(一杯)400円」「酒類はお一人様3本(3杯)まで」これだけ
あとは、マスターができるものなら作るという方針

 
そんな「めしや」で、3話のオムニバスに
忘れ物の(お骨の入っていない)骨壺という展開
 
 
1話目はナポリタン
 
 
 

 
最近愛人を亡くした、たまこ(高岡早紀)は、新しいパトロンを探している最中
若いサラリーマンのはじめ柄本時生)と
ナポリタンを食べたことをきっかけに付き合いますが
しかし、たまこにも遺産が入ったとたん、はじめを棄てるというもの
 
「マスターには分かってたでしょ」
 
たまこは汚れた自分が、真面目で純粋なはじめに
ふさわしくないと気付いたのです
だから相手に嫌われるような手段をとって別れてしまった
彼女の行為は、もしかしたらはじめの幸せを願ってのことかも知れません
 
 
2話目はとろろご飯
 
 
 
 
 
ットカフェに寝泊まりし、ホームレス直前の生活をしている
みちる(多部未華子
やがてネットカフェ代も尽き、「めしや」で無銭飲食してしまいます
しかし後悔し、お詫びに働かせてくださいとマスターに申し出るのです
 
 
3話目がカレーライス
罹災者がボランティアに思い込みのストーカー愛
そして骨壺の落とし主、過去に夫に棄てられた
ちょっと奇怪な街子(田中裕子)が登場します
 
このカレーライス編は本当にいりません
酷い話です
 
 
 
 
ボランティアの女性を一方的に好きになる、ストーカー男も見苦しいですが
女性も「ただのボランティアと被災者の間でよかったのに」とか
「自分が立ち直るために、利用した」という発言はあんまりです
 
 
 
極めつけがマスターの作ったカレーを残すという最低の演出
どんな事情があっても、このカレーライスは絶対に食べなきゃ駄目です
たとえフィクションでも、食べ物を粗末にするというのはどうなのでしょう
この作品を作った人間の品性が疑われます
 
 
原作やテレビ版を知らないので、勝手な発言だと思われるかもですが
1話目と3話目はカットして
「とろろご飯」だけでよかったのではないでしょうか
 
 
 
 
多部ちゃんがどうしてホームレス寸前にまでなったのか
どうして包丁を研いだり料理がうまいのか
田舎のおばあちゃんの境遇がどうなっているのか
というエピソードを入れながら
 
(ここから勝手な妄想入ります 笑)
 
やさしく面倒を見てくれるマスターに
年の差恋をしちゃうんですよ
 
それは叶わぬ恋だってわかっていて
料亭の女将にも敵わないと知っていて
それでもマスターに本気になってしまうのです
 
そしてマスターの人となりや、過去が明かにされていき
泣く泣く、号泣で諦めて、マスターのもとを去る
その姿に「めしや」の常連客も泣き
見ている観客も泣くのですよ
 
ラストは一流の料理人になるため修行をする
大人の女性に成長していく、多部ちゃんと
それを見守るマスターと常連客
それでいいじゃないですか
 
筒井道隆さんの演じる、自己中な被災者や
お骨を他人の誰かに預けようとする田中裕子さんのキャラには
「人としてどうなの?」と思いました
 
心温まるストーリーを期待していましたが
深夜食堂ファン」の皆様
ごめんなさい、ツッコミ系にさせていただきます
 
 


 
解説】allcinemaより

安倍夜郎の同名漫画を原作に、繁華街の片隅で小さな食堂を営む寡黙なマスターと、そこに集うワケありな客たちが織りなす悲喜こもごもの人生模様を綴る小林薫主演の人気深夜TVドラマ初の劇場版。共演には高岡早紀柄本時生多部未華子余貴美子筒井道隆、菊池亜希子、田中裕子のほか、不破万作綾田俊樹オダギリジョーらドラマ版のレギュラー陣も多数登場。監督もドラマ版に引き続き「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の松岡錠司
 夜も更けた頃に営業が始まるその店を、人は“深夜食堂”と呼ぶ。メニューは酒と豚汁定食だけ。それでも、客のリクエストがあれば、出来るものなら何でも作るのがマスターの流儀。そんな居心地の良さに、店はいつも常連客でにぎわっていた。ある日、店に誰かが置き忘れた骨壺が。どうしたものかと途方に暮れるマスター。そこへ、久々に顔を出したたまこ。愛人を亡くしたばかりの彼女は、新しいパトロンを物色中のようで…。上京したもののお金がなくなり、つい無銭飲食してしまったみちる。マスターの温情で住み込みで働かせてもらう。料理の腕もあり、常連客ともすぐに馴染んでいくが…。福島の被災地からやって来た謙三。福島で熱心にボランティア活動する店の常連あけみにすっかり夢中となり、彼女に会いたいと日参するが…。