悪魔のいけにえ 公開40周年記念版(1974)




言わずと知れた傑作ホラー映画の40周年記念版
オリジナルフィルムをレストア(修復)
リマスター(最新のデジタル技術を用いて、再度マスタリングを行う)
モノラルだった音声をサラウンド化したそうです

悪魔のいけにえ」「死霊のはらわた」「ゾンビ」は
史上最恐3大ホラーということですが
その中でも特にカルト的な人気を誇るという本作
じっくりと鑑賞してみました

原題は「THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE」(テキサス・チェーンソー大虐殺)
レザー・フェイスのモデルになったのは「エド・ゲイン」ということですが
共通点は墓場から掘り出した死体から作り出した人骨家具等のディテールだけ
とはいえ一応シリアルキラーものなので、この邦題は間違い
人間が一番恐いという、アメリカン・ニューシネマの歪んだ変種



テキサスの田舎町で墓から死体が盗まれるという事件が発生していました
車椅子生活のフランクリン、サリー、ジュリー、カーク、パムの5兄妹
家族の墓の無事を確かめるために帰郷してきました
そしてフランクリンとサリー姉弟の生家を訪ねる途中
不気味なヒッチハイカーを車に乗せてしまいます

このヒッチハイカー君のイカレっぷりは非常によろしいです(笑)
いや~なネチっこい不気味さがあります

無理矢理ヒッチハイカーを車から降ろし5人は逃げることにします
本当にどこまでもつけてくるのではないかとヤツは思わせるのですが
そうではなく(笑)

途中ガソリンスタンドに行くものの、ガソリンはなく
店主にバーベキューを薦められますが(このバーベキューの肉がね)
5人はの姉弟生家である古い家に行くことにします



そしてガソリンをもらおうと、ジュリーとカークが隣の家に行くと
まずカークが頭をゴン!と(笑)

次にジュリーが(肉を吊るす器具に)吊るされてしまいます
ふたりを探しに行くフランクリンとサリー
(運転手のパムはどこいったんだ?www)

フランクリンはチェーンソーでガガガガとやられ
ひとり捕まってしまったサリー



なんとヒッチハイカー(次男)とガソリンスタンドの店主(長男)
レザーフェイス(末っ子)は兄弟だったのです

しかも、しからびたじい様登場
動けないじい様ににハンマー持たせて
サリーを殴らせようとしますがうまくいかず(笑)
おまけにサリーには逃げられてしまいます

今観るとスプラッター描写は意外と控え目
肝心の殺戮の部分はほとんど映し出しません

逃げ回る姿や、電ノコの唸る音といった効果音
そして相当に神経に障る女性の絶叫だけで錯覚し
狂気をシンクロさせるのです

枝をかき分けて逃げるサリーと
枝を律儀に切って追いかけるレザーフェイス(笑)
ついには、通りがかりのトラックの運転手も飛び入り参加(笑)
サリーは高笑いで逃げ切り




夕日をバックにダンスを踊るレザーフェイス
(梅毒で皮膚病で発達障害で精神年齢は8才児程度という設定だそうです)
そして何も示されないまま映画はパッと終わります

やはり冒頭のヒッチハイカーが素晴らしく
ホラー映画として最高の出だし、ツカミはばっちりです
中盤からは、ちょっとコメディ風になってきて
レザーフェイスには愛着が湧いてきたくらいですが(笑)

面白かったです、やはり傑作なのでしょう
思いのほか、笑えましたし(笑)


【解説】allcinemaより
旅行中の若者たちがテキサスの片田舎でふと立ち寄った一軒屋で出会った殺人鬼一家。実際に起きた事件を基に、これが商業デビューとなったフーパーが、アングラ的な中にエキサイティングな演出を見せて観る者を圧倒させる。レザーフェイスと呼ばれる、人の顔の皮を被り電動ノコギリをふりかざす大男の存在感と、狂気に溢れた幕切れのショック! 以降のホラーに多大な影響を与えたこの作品の異様さは、例えようが無い。