ヘイル、シーザー!(2016)

 
1950年代のハリウッドの内幕
脚本家に対するレッドパージをデフォルメしながら描写したもの
 
どこまでが本当なのか、ギャグなのかピンときませんでしたが
日本でも第二次世界大戦終結後、占領政策を担ったGHQにより
共産主義勢力が弾圧されていたそうで
そういう時代背景を知っている方なら
また違う見方もできるのかも知れません
 
 
大物俳優ウィットロック(ジヨージ・クルーニー)が誘拐され
映画製作のあらゆるトラブル解決を請け負う
マニックスジョシュ・ブローリン)が調査することになります
 
犯行は共産主義者の脚本家グループだとすぐわかります
脚本家たちはウィットロックに共産主義主義を繰り返し教え
ウィットロックは簡単に洗脳されてしまうのです
(そして洗脳から覚めるのも早い 笑)
 
身代金は10万ドル、その本当の目的は
もう1人のスターであるバート・ガーニー(チャニング・テイタム)を
ソ連に亡命させることでした
ソ連の潜水艦がLAの沖合まで迎えにくるのが凄いです(笑)
 
 
 
そしてもうひとつのテーマが「神について」
主人公のマニックスはキリスト的な立場だそうで
ウィットロックへの説教は「十戒」になっています
 
私なんぞ神父たちが語り合うシーンで初めて
ユダヤ教キリスト教の違いを「へ~」と納得したくらいで(笑)
そういえば、今でもたまに「神への冒涜」という理由で
上映ボイコットとか聞くことがありますね
アメリカでは映画と宗教も切れない関係なのでしょう
 
 
 
禁煙中のウィットロックが煙草を2~3本吸ったと
教会で懺悔を繰り返すシーンや
西部劇スターのホビー(オールデン・エアエンライク)が
正装する役ながら、ガンマン風の歩き方や西部訛りだったり
スカーフが巻き込まれて死にそうになったり
 
そんなクスっと笑える小ネタはあるものの
多くは楽屋落ち的なノスタルジックな作品でした
 
ただ、コーエン兄弟の映画に対する愛情は
とても感じることができるでしょう
 
 

 
【解説】allcinemaより
ノーカントリー」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」のジョエル&イーサン・コーエン監督が1950年代のハリウッドを舞台に、ジョシュ・ブローリンジョージ・クルーニースカーレット・ヨハンソンをはじめとする豪華オールスター・キャストで贈る痛快ミステリー・コメディ。スタジオ内のトラブル処理を請け負う主人公が、誘拐された大物スターの捜索の過程で、映画俳優をはじめ一癖も二癖もあるスタジオの住人たちと繰り広げるドタバタ劇の行方を、往年のハリウッド黄金期への郷愁や映画愛を織り交ぜつつユーモラスかつシニカルに描き出す。
 1950年代、ハリウッド。エディ・マニックスは映画スタジオ内で起こるどんなトラブルにも対応する汚れ仕事請負人。わがままなスターたちの尻ぬぐいに追われ、悩み多き日々を送っていた。そんな中、テレビの台頭に危機感を抱いたスタジオでは、命運をかけた歴史スペクタクル超大作「ヘイル、シーザー!」の製作に乗り出す。ところがその撮影中に肝心の主演俳優ウィットロックが誘拐される大事件が発生する。さっそく事件解決に向けて動き出すエディだったが…。