原題は「WRESTLING ERNEST HEMINGWAY」
いい映画でした
私を含め、こういう作風が好きな人は多いと思います
ただしこちらは75歳の爺が主人公
フロリダ、海沿いの街フランク(リチャード・ハリス)は最年少の船長だったことと若いころヘミングウェイと格闘したことがあるのが自慢の男口が悪く変わり者、でも本当はやさしい寂しがりやさん息子が誕生日プレゼントに贈ってくれたヘンテコな帽子を愛用し毎日映画館に行っては常連の女性を口説きます
ウォルター(ロバート・デュバル)はキューバの移民で元床屋ベーコンサンドが好きで、日に2回ダイナーで働く友人のエレーン(サンドラ・ブロック)に作ってもらいますそれを海辺の公園のベンチで食べながら、パズルを解くのが日課真面目過ぎる性格で、全く冗談が通じません
そんな正反対のふたりが偶然知り合いますウォルターはフランクのことを最初は煙たがっていましたでも暑い盛りのある日、フランクはエレーンのいる涼しいダイナーに行こうとウォルターを誘うのです
次第にウォルターとフランク、エレーンは親しくなります
有名になる前のサンドラ・ブロックが初々しいですねまだ若いのにお年寄りからの好意をしっかりと受け止めとても親切な女性を好演しています(私もデュバル様とお友達になりたい! 笑)
大家のシャリー・マクレーンもチャーミング若いころ可愛いと、お年を召してからもやはり可愛いのか(笑)
バスを待つ女性、バスの運転手、公園で遊ぶ母子街の人々も皆やさしくて温かい気持ちになれます
エレーンが暮らすカーターベイでの花火大会に二人漕ぎの自転車で向かうふたりフランクの髪を切り髭をそるウォルターふたりの友情が次第に深まっていくシーンにはじんわりと感動していきます
でもエレーンの結婚が決まったある日フランクの選んだエレーンへのプレゼントにウォルターは激怒してしまうのですそして喧嘩別れしてしまうのです
だけど、エレーンが引っ越しをする日「さよなら」を言うために、フランクは再びウォルターをエレーンのもとに自転車で連れて行きます
「さよなら」を言う前に疲れてエレーンの前で寝てしまうウォルター(笑)小さな恋に、胸がきゅっと苦しくなる
そして仲直りしたフランクとウォルターはダンスパーティに行く約束をしますだけど待ち合わせの時間になってもやってこないフランクをウォルターが迎えに行くと彼は帰らぬ人となっていました
でも、しんみりとしたものはありませんでした
フランクは幸せな最期を迎えた気がしたからですウォルターとの10キロの自転車での短い旅は彼の人生でかけがえのないものになったはずです
そしてウォルターも、人と付き合う楽しさに気が付きます
最後のシーンは素敵でした
人生は最後まで素晴らしい
これはもう「お気に入り」でしょう
【解説】allcinemaより