バチカンで逢いましょう(2012)



「男は1度に2つのことはムリ」
「イタリア男は別かと・・」
「男は皆同じよ」


プチ「ローマの休日」とプチ「旅情」を感じるドイツ映画
最近はシニアの恋愛映画がずいぶん多い気がします
もしかしたら今時のシニアは、若い人よりも肉食系なのかも(笑)

40年連れ添った夫に先立たれたオマ(マリアンネ・ゼーゲブレヒト
オマを心配した娘のマリーはオマの家を売り、自分の家に連れて帰ります
しかもオマを老人ホームに入居させるつもりです
一緒にいくはずだったローマ旅行もキャンセル

ショックをうけたオマは、ローマ法王ベネディクト16世に謁見するため
ひとりローマに旅立ち孫娘マルティナの住むアパートを訪ねます
敬虔なカトリックで、保守的で、世間知らずのウブなおばあちゃん
家族はオマのことをそう思っていました

バグダッドカフェ」でもヒロインを演じた
マリアンネ・ゼーゲブレヒトがチャーミングですね
ここでも孫娘の部屋をせっせと掃除し
壁のいかがわしい絵には「私のベネディクト」のプロマイドがぎっしり(笑)





盲目のふりをする詐欺師ロレンツォに騙され、仕返しをしようとした
ペッパースプレーがなんと法王の顔に!

バイエルン料理レストランでは料理がまずいと
勝手に厨房に入って料理を作ってしまいます
しかもそこのシェフにまでなってしまいます

孫娘と飲んだくれ、胸に「オマロック」と刺青するし
法王に逢うためにロレンツォと偽装結婚までしようとします


心配したマリーが迎えに来た時に
「老人扱いしないで!」と叫んだ気持ちはわかりますね
私も親を老人扱いするのには反対です
まだ元気で、介護や治療も必要ないのならば
残りの人生をおおいに謳歌させてあげるべきなのです


そして、どうしてもオマが法王に逢って懺悔しなければならない理由を
マリーはオマから聞くことになります
若い頃のオマはマリーが思うほど、保守的でもウブでもなかったのです





オマがシェフをする、バイエルン料理レストランのオマ料理は評判になり
法王庁からドイツ菓子であるカイザーシュマーレン作りを依頼されるのです
ロレンツォの本当の職業は明かされませんが
どうやら法王庁にコネがあるようです

カイザーシュマーレンのお礼にと、念願かなって
「私のベネディクト」と逢うことができたオマ
オマが本当に懺悔したかったのは、夫と娘だったのでしょう
マリーに秘密を打ち明け、家族の絆を取り戻せた今は
懺悔も祝福も必要ではなくなっていたのです

オマはローマに残る決心をし
ロレンツォとヴェスパに乗り出かけます
法王から本当の祝福を受ける日も近いかも知れない
そんなふうに思えるラストでした



【解説】allcinemaより
バグダッド・カフェ」「ロザリー・ゴーズ・ショッピング」のマリアンネ・ゼーゲブレヒト主演で贈るほろ苦人生コメディ。夫に先立たれたドイツの老婦人が、娘たちに黙って一人向かったイタリアで繰り広げる悲喜こもごもの人間模様を綴る。共演に「流されて…」のジャンカルロ・ジャンニーニ。監督は「飛ぶ教室」のトミー・ヴィガント。ドイツのバイエルン州からカナダに移住したマルガレーテは、長年連れ添った夫に先立たれたのを機に、長女のマリーにドイツに呼び戻される。ところがマリーが老人ホームを勧めるのにショックを受け、ある朝、置き手紙を残して単身ローマに旅立ってしまう。実は、敬虔なカトリックのマルガレーテには、どうしてもローマ法王の前で懺悔したいことがあったのだが…。