誘惑のアフロディーテ(1995)




マドンナはミラ・ソルヴィーノ

アレンは配役を選ぶことにかけても天才だと思います
アレンの映画に主演すればアカデミー賞
ノミネートされることもしばしば
ミラも見事オスカーを受賞しましたね


アフロディーテとは、「愛と美と性を司るギリシャ神話の女神」
本作はアレン流ギリシャ神話の現代版といったところ
預言者と神々の語り部は微妙ですが(笑)
作品を分かりやすいものにしています


スポーツ記者のレニー(アレン)と
妻のアマンダ(ヘレナ・B・C)は倦怠期の夫婦
キャリア重視派のアマンダは
妊娠はしたくないけれどベビーは欲しいと言います

養子には絶対反対したレニーですが
ベビーがやってきたらもうメロメロのデレデレ
可愛くて可愛くてしょうがありません





マックスと名付けられた男の子は元気に育ち
おまけにハンサムだし、頭は良いし、スポーツマン
これはどんな優秀な母親から生まれたのか
レニーは知りたくなりました

アマンダには内緒でマックスの母親を探し
そして逢いに行きます

リンダ・アッシュというその女性は、なんとAV女優で娼婦でした
しかも養子に出した子どもの父親は誰なのかもわからないというのです

だけど、このちょっと頭のヨワそうなリンダのことを
レニーは気になり会いに通うようになります
徐々にのめりこみ娼婦も辞めさせ
どうにか幸せになって欲しいと願い
ついには結婚相手まで探すのです


とにかく、ミラがいい
ズレているけど、めちゃくちゃいい
このコケティッシュさはマリリン・モンローを彷彿させます





レニーを棄てほかの男性のもとに走るアマンダ
婚約が破談になったリンダと結ばれるレニー
でも結局は元のサヤに収まる

ラストも良かったと思います
お互いの子どもが、自分の子どもとは知らずに再会するおもちゃ屋さん
こんなに可愛いのは奥さんが、旦那さんがいいからだと褒めあう

血縁よりも大切なつながりもあるのです
強いこだわりに縛られないほうが幸せになれる
そう思いました


とにかく、ミラがいい(しつこい 笑)
「人生万歳!」(2011年)のエヴァン・レイチェル・ウッドともダブるのだけど
私はこういうあっけらかんとしたタイプの女性が、好きなのだと思います
(どうしよう、いまさらソッチの道に走ったら! ← ないって 笑)



【解説】allcinemaより
生まれたばかりのベビーを養子に迎えたワインリブ夫妻。ルックス、IQ、性格の三拍子揃った息子マックスの成長ぶりに夫のレニーは鼻高々だったが、一方で彼らの夫婦仲は崩壊寸前。その反動から、レニーは息子の実の母親探しに熱中し始めるが……。養子縁組をきっかけに巡り合った男と女の奇妙な関係を軸に、愛に迷い、理想を追い、ままならぬ現実と格闘するニューヨーカーたちの姿を、ウイットに富むエピソードを満載にして描いたW・アレン監督作品。親子・夫婦の絆に不信を抱いて迷走する主人公たちを辛辣な目で見つめるオブザーバーといった存在で登場するコロス、どこかギリシア悲劇を連想させる様な子供の出生の秘密を軸に構成されたストーリー、ハッピーエンドながら明らかに悲劇のポテンシャルが秘められている結末とそれをホロ苦いユーモアに仕上げた演出等、随所にアレン特有の語り口が見受けられる秀作喜劇。ちなみに題名にあるアフロディーテとは、その美しさに魅せられた神々が皆彼女を妻に選んだというギリシア神話に登場する愛と美の女神のこと。