マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2011)




イギリスに住む老男女7人が
格安なリゾートホテルで長期滞在するため
インドのジャイプールまでやってきます

しかしインターネットの豪華な広告とは違い
そこのあったのは古いボロホテルでした


そのホテルの若い支配人ソニーがいいんです
前向きで明るい性格が、いかにも私がイメージするインド人らしい
彼の口癖は「最後は大団円」
大団円(だいだんえん)とは、「全てがめでたく収まる結末」という意味

実際のセリフは
Everything will be all right in the end.
And if it is not all right,then it is not yet the end.

すべて最後にはうまくいくんです
もしうまくいっていなければ、それはまだおわりじゃない
ということです

この言葉に出会えただけで、この作品を見た価値がありました






いわゆる「グランド・ホテル」形式の映画で
ある限られた環境での、さまざまな人間群像が描かれます
主だったテーマは「老後の生き方」、特に恋愛についてです

70歳以上の方の恋愛については
肯定派と否定派にはっきり分かれると思います
否定派は「気持ち悪い」という嫌悪感からでしょう
肯定派はやはり恋愛体質の人
何歳になっても出会いが欲しい
恋がしたいと思う人にはぴったり

特にゲイの判事が長年思っていたインド人男性との再会は感動的
インド人男性の奥さんもそれを理解して夫婦でいるという
その寛容さに驚きます





健康なら、100歳まで生きて当たり前の現代
ゆりかごから墓場まで」という先進国の保険は消え
70歳過ぎても働かなければ食べていけない現実

そう考えるとこの作品の老人たちのように
いくつになっても恋に、仕事に、チャレンジしていくのは
大切なことのように思えました

実際には、年齢を重ねるごとに
自分より若い人を好きになる人のほうが
多いとは思いますが(笑)


時おり見せるインドの風景が素敵で
人々のパワーを感じます

最後は大団円
自分もそう思えるようになる
そんな作品でした


【解説】allcinemaより
恋におちたシェイクスピア」「コレリ大尉のマンドリン」のジョン・マッデン監督が、ジュディ・デンチビル・ナイトム・ウィルキンソンマギー・スミスら英国を代表する名優たちの豪華共演で描くヒューマン・コメディ。インドで優雅なリゾート生活を満喫しようとイギリスからやって来た7人の熟年男女が、予定外のトラブル続きで喧噪と混沌に満ちた異文化の洗礼に見舞われて右往左往しながらも、やがてバイタリティに溢れたインドの空気に身を委ねることで思いがけず人生の喜びを再発見していくさまをユーモアを織り交ぜ感動的に綴る。
 “神秘の国インドの高級リゾート・ホテルで、穏やかで心地よい日々を”――そんな謳い文句に惹かれ、マリーゴールド・ホテルの高齢者向け長期滞在プランに申し込んだイギリス人の男女7人。亡くなった夫の残した負債を返済するため家を売り払い、インドでの一人暮らしを決意したイヴリン、退職後、国内に家を買うつもりが予算の都合でインドを選んだ夫婦ダグラスとジーン、突然判事を辞めたグレアムなど、7人の抱える事情は様々。そんな中、期待に胸を膨らませてインドに降り立った彼らだったが、ようやく辿り着いた目的地で待っていたのは、将来は“高級ホテルになる予定”という廃墟同然のボロ・ホテルと、やる気だけは人一倍の若き支配人ソニーだった。