80日間世界一周(1956)




冒頭でメリエスの「月世界旅行」を見れるのは、お得

多くのスターが登場し、大物俳優などがちょい役で出演することを
この作品から「カメオ出演」と呼ぶようになったそうです

私がわかったのは、サロンでホステスのマレーネ姐さんと
シナトラがサンフランシスコの飲み屋で
オルガンを弾いているところだけでしたけど(笑)

アカデミー賞では、作品賞、撮影賞、映画編集賞、音楽賞、 脚本賞
の5部門を受賞


主人公の「英国人は賭け事では冗談を言わない」
という言葉がありましたが、それは本当らしく
イギリス人はなんにでも賭け、そして本気だそうです

とある社交クラブの一員であるフォッグ(デヴィッド・ニーヴン)は
ほかのメンバーと「80日間で世界一周できる」という賭けをします
召使になったばかりのパスパルトゥー(カンティンフラス)と
大金をもって、いざ出発
それを追うのはフォッグを銀行強盗犯と疑う
フィックス刑事(ロバート・ニュートン)





気球に乗ったふたりが最初に着いたのはスペインでした
インドへ行けば象に乗って森林を行き
ついでにウアダ姫(シャーリー・マクレーン)も救い、シャムから香港へ
横浜、サンフランシスコ、ニューヨーク
そして再びロンドンを目指します


冒険ものとして完成度はかなり高いです
観光映画としても楽しめます、多少の勘違いはコメディと思えばいい
最後の最後までハプニングに次ぐハプニング
女性宣教師に捕まって讃美歌まで歌わされるシーンには
「時間に遅れちゃう!」と、ちょっと焦った(笑)





私が子どもの頃は、夏休みに「こどもまんが劇場」みたいな特集があって
長編アニメの再放送を何度も繰り返していたのですが
そのころに見たアニメを思い出してみると
日本の長編アニメもかなり影響を受けたのだと思います

ただ、かなり長尺で、無駄に長いシーンも多いので
そこはDVDプレーヤーの機能を使って
1.3倍か1.5倍速で見るとちょうどいい(笑)


フラミンゴに闘牛、あらゆるアクションで
驚くほど多彩な才能を披露しているパスパルトゥーですが
この役を演じたカンティンフラスはメキシコの人気コメディアンで
亡くなった時には国葬級の葬儀が行われるほどだったとか
ほかの主演作を日本で見るのが難しいのは残念です


たくさんのカメオ出演の俳優さんたちがわかるツウの方なら
もっともっと楽しめる最高の1本だと思います

早送りで見たなんて言ったら怒られるかな(笑)


【解説】allcinemaより
 有名なJ・ヴェルヌの冒険小説を、新方式の大型画面トッドAO(開発者は本作のプロデューサー、M・トッド)を用い、世界各所の名所旧跡と豪華なゲスト・スターで紡ぎあげた一大デラックス巨篇。時は1872年、まだ飛行機も出現していない時代。イギリスはロンドンの社交クラブで、一人の紳士(ニーヴン)が“80日あれば世界一周できる”という賭けにのった事から物語は始まる。2万ポンドを賭けて、従者(カンティンフラス)と共に出発する紳士。だが二人の行く手には、幾多の困難と様々な事件が待ち受けていた! 3時間弱の間に登場するゲスト・スターはマレーネ・ディートリッヒを筆頭に、ロナルド・コールマン、マルティーヌ・キャロル、シャルル・ボワイエトレヴァー・ハワードノエル・カワードフェルナンデル、グリニス・ジョーンズ、フランク・シナトラピーター・ローレ、etc……。見るからに金と力に物を言わせた作品で、ただそれだけといった思いも抱かないではないが、ここまで徹底した造りだと、これはもう、拍手を送るしかあるまい。思い切り贅を尽くす事が、それだけで映画の魅力とも成り得る事を示した稀有な例だ。