「ジョディの為にやった」
異様な魅力に溢れた作品
映像、音楽、構成、素晴らしいですし
デ・ニーロのカリスマには圧倒させられます
真面目で、変態で、ストーカーで、アダルト・チルドレン
そして正義の味方
(たぶん)PDSD(心的外傷後ストレス障害)
不眠症のためタクシー・ドライバーとして働き始めます
彼の願いは、ヤクの売人や娼婦・・街のゴミを清掃したいということ
ある日、大統領選の選挙事務所で働く美女ベッツィーに一目ぼれ
しかしデートでポルノ映画館に連れて行き嫌われてしまいます
なのに、どうして彼女が怒ったかわからない
ベッツィーから避けられ、トラヴィスの心は荒んでいきます
そんな時、少女の娼婦がトラヴィスのタクシーに乗り込んできました
当時13歳だったというジョディ・フォスターの色っぽいこと
ヒモ男に騙される幼い娼婦を見事に演じきっていました
この色気、大人になったジョディからは消えてしまいましたけど(笑)
この少女との出会いが、トラヴィスに決意をさせます
街を浄化するのだと
アメリカン・ニューシネマの最後期の代表作ということですが
この若者の屈折した正義感は、現代でも通じるものがあると思います
不謹慎かも知れませんが、私はまだ記憶にも新しい
戦後犠牲者の数が最も多かったという、「相模原障害者施設殺傷事件」や
大口病院での連続不審死などを思い出してしまいました
若い人の間では、犯人をヒーロー視する声も多くあるそうです
孤独、政治への不信
【解説】allcinemaより
ニューヨークの夜を走るひとりのタクシードライバーを主人公に、現代都市に潜む狂気と混乱を描き出した傑作。ベトナム帰りの青年トラヴィス・ビックルは夜の街をタクシーで流しながら、世界の不浄さに苛立ちを感じていた。大統領候補の選挙事務所に勤めるベッツィと親しくなるトラヴィスだったが、彼女をポルノ映画館に誘ったことで絶交されてしまう。やがて、闇ルートから銃を手に入れたトラヴィスは自己鍛錬を始めるが、そんな彼の胸中にひとつの計画が沸き上がる……。P・シュレイダーの脚本をM・スコセッシが監督し、独特の雰囲気を持った“現代劇”を造り上げた。トラヴィスのキャラクターはあまりにも強烈で、70年代半ばから映画ファンとなった男たちにとってデ・ニーロは松田優作と並ぶヒーローになった。これが遺作となったB・ハーマンのスコアも驚異的で、特にトム・スコットのアルト・サックスが冴え渡るメイン・タイトルはあまりにも秀逸。カンヌ映画祭グランプリ受賞。