パーマネント野ばら(2010)




「何べんも聞いたよ」


自動車で人身事故は起こすわ
電柱をチェンソーで切るわ
この町には警察はいないのか?

などと、疑問に思いながら鑑賞していたら
原作は西原理恵子さんのコミックなのですね
それなら納得いきます(笑)

この作品も、ギャグに笑いと
心の闇や、孤独が同居していました
人間の寂しさが胸を突きます

高知の海辺の田舎町にあるパーマ屋さん
近所のオバちゃんが集まり
男衆の悪口に、くだらないエロ話

髪型はみんなパンチパーマ
娘を連れ出戻りしてきたなおこは
母の経営するその店を手伝っています

なおこの友人のパブを経営するみっちゃんと
(JAとか商工会の職員かな?)の、ともちゃんは
それぞれ不甲斐ない男と結婚していました

なおこの父親も、家を出て母親と違う女性と暮らしています
ここに登場するのは、男運のない女ばかり

特にみっちゃん役の小池栄子さんが素晴らしい
どんなに裏切られても、辛い思いをしても
そんな、悪い男をまた愛しく思ってしまう
そんな、ダメな人間を放っておけない心底優しい女

そうして、こういう結末なのか・・


「私、狂ってる?」

「そんなんやったら、この町の女は、みんな狂っちぅ」


「デート中」


なんて温かい女性達の眼差し
私は女友達に何かあったとき
ここまでやさしい気持ちになれるかしら


なおこの恋人の高校教師であるカシマは
なおこの妄想だったのでしょうか

それとも禁断の恋のための入水心中で
カシマだけが死んでしまったのでしょうか

原作は読んではいませんが
サイバラ・ワールドを実写化するにあたって
サイバラ氏のイメージを損ねていないと思います

とにかく、小池栄子さんがいい
本気で友達になりたい(笑)

ちょっと迷うどころですが、お気に入りで

これは、ドラマやコメディで終わらせるのには
あまりにももったいない感動作なのです



【解説】allcinemaより
「いけちゃんとぼく」「女の子ものがたり」の西原理恵子の同名コミックを、「Dolls ドールズ」の菅野美穂主演で映画化。海辺の田舎町を舞台に、離婚して出戻ってきたヒロインの恋と友情を軸に、たくましく個性豊かな女性たちが繰り広げる悲喜こもごもの物語をコミカルなタッチを織り交ぜ切なくも温かに綴る。監督は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「クヒオ大佐」の吉田大八。
 海辺の町に佇む“パーマネント野ばら”。そこは、離婚し一人娘を連れて出戻ったなおこと、その母まさ子が切り盛りしている小さなパーマ屋さん。町の女たちはここに集っては、甲斐性なしの男たちへの不満やグチをぶちまけ合う。なおこの2人の友だち、みっちゃんとともちゃんも男運は最悪。みっちゃんは、浮気と金の無心を繰り返す夫に怒りながらも突き放すことが出来ない。一方のともちゃんは、ギャンブルに溺れたあげく行方不明となった旦那を心配する日々。そんな中、高校教師のカシマとの静かな恋を大切に育むなおこだったが…。