がんばれ!ベアーズ(1976)




ダメダメなチームがひとりの監督との出会いで勝利を目指す
よくあるスポーツが題材の物語と思い鑑賞してみたものの
なかなか考えさせられてしまいました

野球を通しての子どもの成長はもちろんですが
それ以上に監督であるバターメーカー(ウォルター・マッソー)の
大人の成長を描いていたからです

単純にお金のためだけにダメ少年野球チームの監督をひきうけた
マイナーリーグアルコール依存症で清掃員のバターメーカー
だけど屈辱の敗北をきっかけに、心機一転

かっての恋人の娘の豪速投手アマンダ(テイタム・オニール
不良だけれど運動神経抜群のケリーをスカウトし
ベアーズは連戦連勝していきます

だけど、勝利を目指すあまりに勝つためとはいえ
上手い子にだけ目をかける
時には子どもたちを必要以上に罵り
言ってはいけない言葉や行動で、傷つけてしまいます

ああ、こんなことってあるよね
勉強で、スポーツで、子どものことを思ってのこと
勝つためにと思ってしたこと

でもそんな自分は何になれたの?
失敗だらけの人生のくせに
子どもたちに野球の楽しささえも
教えられないのか

バターメーカーはヘタクソな子でも
勝戦では全員出場させました

もちろん優勝出来なかったけれど
それで良かったと思います

子どもたちの未来はまだ続くのですから
次があるではないですか
来年も再来年も

負けた悔しみも、勝った喜びも
今だけの感情ではありません
大人の過去の記憶だけで決めてはならないのです

子どもに対する言葉遣いの悪さは
多少気になりましたが(笑)
それでも、気もちよく見終われる物語でしたね

しかも、小学生がノーヘルでバイクとか
ストーンズのライブでデートとか
羨ましい限りの国でした

70年代アメリカ(笑)



【解説】allcinemaより
かつてはマイナー・リーグで活躍した事もあるプール清掃人バターメーカー(W・マッソー)は、市議会からの要請で少年野球チーム“ベアーズ”のコーチを任せられる。だが問題児ばかり抱えた“ベアーズ”が強くなる事など絶対不可能だと知ったバターメーカーは、昔の恋人の娘で抜群の投球センスを持つアマンダ(T・オニール)と、オートバイを乗り回している不良少年ケリー(J・E・ヘイリー)をチームに加え、連勝街道に乗り出していく。アメリカ映画お得意の“成せば成る”式スポーツ・コメディだが、少年野球を題材にしているところがやはりミソで、いろんな子供たちが見せる珍プレイ好プレイも楽しい上に、その成長ぶりが爽やかな感動を呼ぶ仕組みになっている。マッソー、オニール共に好演だが、B・ランカスターの脚本とスポーツものに手腕を発揮するM・リッチーの演出が最大の功労者。世界的ヒットとなり2本の続編「がんばれ!ベアーズ特訓中」「がんばれ!ベアーズ大旋風」が作られた他、TVシリーズにもなった。