ロンゲスト・ヤード(1974)





面白かったですね

骨太で男気
弱者が強者に勝利するという単純明快なストリー

ありふれた、わかりきった展開でも
思わずハラハラ、ドキドキ
アルドリッチ監督の手腕を感じます

八百長試合でアメリカンフットボール界を追放された
元はスーパースタのポール・クルー
女のヒモとして生活していたものの
何もかもがいやになったのでしょう

女を殴り、車を盗みパトカーとカーチェイス
そして投獄されてしまいます

刑務所の所長はフットボール好き
自らの看守のセミプロチームまで所有
ポール・クルーに、看守チームVS囚人チームの
試合開催を持ち掛けます

どこまでも卑怯な所長がいいですねえ
殺したくなります(笑)
悪役はこうでなくちゃ

この作品を何がいいとしているのかというと
印象深い良いシーンが実に多いのです

私が後年も忘れないだろうと思うシーンをひとつあげるとすれば
ブランビルという人徳的な黒人囚人が
図書館での作業中に看守にバカにされるところです

どんな下劣な行動や言葉にも「そうですね」と冷静に対応します
仕事優先で利口な彼にやがて看守も諦めて去っていく
若い黒人たちはそんなグランビルの態度に学び
フットボールチームに入る決心をするのです

黒人、先住民、老人・・
アルドリッチ監督はたぶん
社会的弱者を応援したい人間なのでしょうね

ちょっと過激なだけで(笑)

この先、極悪所長は移転になって(願望)
毎年、看守VS囚人チームの試合が行われたことを
私は願います

できれば反則なしで(笑)



【解説】allcinemaより
刑務所を舞台に、看守チームと囚人チームのフットボール対決を描いた傑作アクション。
 かつてアメフトの花形選手だったポールも、今では堕落した生活に溺れていた。そんな彼はある日、車の窃盗罪で捕まり、刑務所へ送られるハメに。その刑務所の所長ヘイゼンは、看守たちで組織させたアメフト・チームの育成に熱を上げていた。そこでポールの存在を知ったヘイゼンは、彼にチームのコーチ役を要請。しかし、それを断ったポールは苛酷な重労働に回され、あらぬ虐待を受けてしまう。今度は、練習相手となる囚人チームを育成せよとの命令を受けざるを得なくなったポールは、荒くれ者たちを招集し、チームを作り上げていく。やがて、いよいよ看守チームと囚人チームの試合が切って落とされるのだが…。
 スポーツ映画の勝負の面白さと、刑務所映画の対立の面白さを完璧なまでに融合させた脚本に、男性アクション映画の名匠R・アルドリッチのダイナミックな演出がピタリとはまり、これはもう見事というしかない。チームを彩るキャラクターの書き込みや、スリリングなゲーム展開なども申し分なし。男臭さが鼻についたB・レイノルズも見違えるような好演を見せ、所長役のE・アルバート、看守長役のE・ローターもいい味を出している。