エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993)




ダイアナ妃×チャールズ皇太子×コーンウォール公爵夫人殿下(カミラさん)を
思いながら見てしまいました

上流社会の結婚ともなると本人の意思以上に
階級や家の問題が大きくのしかかるのでしょう

お互い愛し合っているけれど
結婚をためらっているうちに
タイミングを逃してしまったために
それぞれがふさわしい家柄の相手と結ばれてしまうのです

名門アーチャー家の家長で弁護士のニューランドは
同じく名門のミンゴット家のメイと婚約中
そこに伯爵夫人でメイの従妹であるエレンが夫から逃れ帰ってきます

3人は幼馴染だったようです
ニューランドとエレンはきっと好きあっていたのでしょう
でも自由で近代的な考えのエレンは身内にとっては厄介者
遠いヨーロッパの伯爵家に嫁がされたのだと思います

だけど再会して、ニューランドは自分が本当に結ばれたいのは
エレンだと気が付いてしまうのです

禁断の愛と知りながら
抑えきれない

メイは浮気を知りながらじっと耐えます
そして水面下でニューランドを取り戻す策を練っていたのでしょう
感情を抑え、素直で貞淑な妻を演じる
それは家を、名誉を、伝統を守るため

メイの妊娠を知りエレンは去ります
ニューランドはメイのもとに留まる
そして幾年もが過ぎ去っていきます

チャールズ皇太子とカミラさんは
子どもが出来ても別れることができなかった

ダイアナ妃もまた、感情を抑えることができず
そのことでより夫婦の間に亀裂が入ったのだと思います
メイのように、もっと計算高ければよかったのに・・
まだ若かったからですね、きっと

(ゲイの雰囲気を取り除いた)ヴィスコンティ風貴族ものですが
スコセッシ監督なのですね
スコセッシ監督の隠れた名作ではないかと思います

ラストがいいですね
男は好きだった女性に再会せずに去っていく
後ろ髪をひかれる思いがこれでもかと伝わってきました



【解説】allcinemaより
 19世紀後半のNY社交界を舞台に繰り広げられる、貴族階級からはみ出た伯爵夫人と、その幼なじみの弁護士の静かな恋愛を描く。イーディス・ウォートンの原作に基づいたM・スコセッシによる、“斜陽”の物語。オペラ観賞に訪れた弁護士のニューランドは、幼なじみの伯爵夫人エレンに再会する。彼女には離婚を認めようとしない夫がいて、彼にも婚約者がいた。そんな状況の中で、奔放な彼女に心惹かれていくニューランド。しかし、上流階級の掟は二人を許そうとはしなかった……。アカデミー衣装デザイン賞を受賞した絢爛豪華な舞台の中で、D・D=ルイス、M・ファイファー、W・ライダーなど、魅力的な顔合わせで描かれる禁じられた大人の愛を、スコセッシは切なく、感動的に再現。抑圧された世界でこそ生じる葛藤と胸の高なりを与えてくれる。