突破口!(1973)




面白かったですね
私はとにかく、こういう予想を裏切った
「どんでん返し」が大好き

凝った脚本、ウェットそうに見せておいて実にドライ
そして音楽はラロ・シフリン

どう見ても、やさしげで人の好さそうなウォルター・マッソー
そんな彼が銀行強盗のボスのチャーリー、それだけでも意外
でも主人公にピッタリでしたね

だけど本当のところは、マッソーが脚本を気に入らず
投げやりな演技をしたのが成功に繋がったとか(笑)
さすが名優は何をやっても名優でございます

たいした現金はないと初めから睨んで田舎の銀行に押し入った銀行強盗団
だけど仲間のひとりは殺され、運転手の妻はピストルに撃たれ重症
愛する妻を車ごと爆破し、チャーリーは若いハーマンと逃げます
自宅であるトレーラーハウスに戻り
盗んだ金を見たら、予想外の大金

これは洗濯するためのマフィアの金
チャーリーはすぐに危険を感じます
しばらく金は使わず隠しておいた方がいいと提案します
だけどハーマンはその金で豪遊したくてしょうがありません
ハーマンは軽率でヤバイ男

でもそこに殺し屋モリーが、チャーリーの居場所と
金のありかを探りにきます

なぜか安心する私
モリーよ、さっさとハーマンを殺っておくれ
(いけない奥さんね)

あらゆる伏線がなかなか凝っていて
最後まで飽きさせません

歯医者ですり替えるカルテ
バラの花束
火薬
ハーマンの死体
(銀行員の)ボイルとの熱いハグ

とことんストイックなこんな主人公も
私はいいと思います

そしてチャーミングなトレーラーハウスの管理人?の
老婦人がいいですね
可愛いおばあちゃんは世界を和ませます

ドン・シーゲル監督の「ダーティ・ハリー」にも劣らない
秀作でしょう



【解説】allcinemaより
ニューメキシコの小さな村で農薬散布の仕事をしている、しがない中年男チャーリーが銀行強盗を計画した。彼は若い男を仲間に引き込み、まんまと大金をものにする。だが、その金はマフィアの隠し金だったのだ。警察とマフィアの両方から追われるチャーリーは、巧みに身をかわしていくが、彼の背後には殺し屋モリーが迫っていた。D・シーゲルが圧倒的な迫力で描く犯罪アクションの傑作。