アウンサンスーチー ひき裂かれた愛(2011)





「私たちの自由のために、あなたの自由を行使してください」


リュック・ベッソン監督が偉人伝なんて驚きましたが
なるほど、彼の「戦う女性」好きなのは本物なのでしょう(笑)

映画のほうは、アウンサンスーチー女史よりも
夫であるマイケル・アリス博士に焦点があてられています

母の看病のためビルマに帰国した妻
その彼女が母の入院先の病院で武器ももたない学生たちが
軍に迫害され大けがをさせられて運ばれるのに遭遇します
そして国民的英雄の娘という理由だけで
ビルマ民主化運動の指導者として活動することとなってしまう

結婚後はただの専業主婦でふたりの男の子の母だったのです
マイケルはそんな妻を励まし、あらゆる自分のコネを使い後方支援をします

ずいぶん前ですけれど、向井 万起男氏の
「君について行こう」シリーズを詠んだときのことを思い出しました

妻は日本人初の女性宇宙飛行士として
スペースシャトル搭乗時は日本中からスポットをあびていた向井千秋さん
その本にはそんな千秋さんに対する、暖かい思いやりや励ましが
そして自分も宇宙が好きなんだ!と
とてもユーモラスに描かれているのです

出来た女性には、出来た男性が
ちゃんとパートナーとして選ばれるものです
そうでなければ夫婦のバランスがとれない

映画のほうの話に戻ると(笑)

撮影時はまだビルマミャンマー)が軍事政権下で
アウンサンスーチー女史も自宅軟禁中だったため
このような撮影しかできなかったそうです
ビルマ民主化運動を多くの人に知っもらい
アウンサンスーチー女史を支援するために制作されたそう

アウンサンスーチー女史がいつも髪に華を挿しているのが好き
彼女が政治家であるまえに、女性であることを忘れない
そんな象徴のような気がするから



【解説】allcinemaより
軍事政権が続くビルマ(現ミャンマー)で民主化運動を牽引し、1991年にはノーベル平和賞を受賞する一方、国内では通算15年という長きにわたって自宅軟禁を強いられ、それでもなお民主化の旗を降ろさなかった不屈の女性アウンサンスーチー氏の激動の半生を映画化した伝記ドラマ。主演は「グリーン・デスティニー」「レイン・オブ・アサシン」のミシェル・ヨー。監督は「アーサーとミニモイの不思議な国」「アデル/ファラオと復活の秘薬」のリュック・ベッソン
 ビルマ独立運動に尽力し、民衆から慕われながらも政敵の凶弾に倒れたアウンサン将軍を父に持つアウンサンスーチー。英国のオックスフォード大学で学んだ彼女は、やがてチベット研究者のマイケル・アリスと結婚、2児の母となる。その後、心臓発作で倒れた母の看病のためビルマへと帰国したスーチーは、民主化を求める人々から熱狂的に迎えられ、彼女を中心に民主化運動がかつてない盛り上がりを見せる。これに危機感を抱いた軍事独裁政権は、次第にスーチーへの圧力を強めていくが…。