トラ・トラ・トラ!(1970)




真珠湾攻撃を日米両国の視点から
おおむね史実に沿って描いた物語。

映画として素晴らしい。
私が今まで見た大戦ものの中でも
これは上位ランキング。

真珠湾攻撃に至るまでの日米政府や軍部の駆け引き
宣戦布告前に空爆、いわゆる「騙まし討ち」してしまう日本軍。

国立公園だ、自然保護だとレーダーを簡単に設置できなかったり
軍も土日は休み・・当時のアメリカ人の良心的でのんびりした気質に
先に奇襲攻撃をかけて大打撃を与え、アメリカの戦意を消失させてから
和平協定に結び付けようとしたのです。

攻撃の成功にみんなが喜ぶ中
山本五十六だけが険しい顔で
「眠れる巨人を起こし奮い立たせた」と呟く。
そんなことをアメリカが、世界が許すはずがない。

とにかくすごいのが真珠湾攻撃のシーン。
大空に飛び立つゼロ戦の美しさ
本物のアクロバットシーン。

そして戦艦が、飛行機が爆撃され
炎に包まれ人々が逃げ惑う真珠湾・・
リアリティがありますね。

巨額の資金がかけられたことがよくわかりますし
46年経過した今見ても、十分鑑賞に堪えられる。
アカデミーの 特殊視覚効果賞を受賞しています。

先に述べたように、とにかく映画として素晴らしい。
これが本物の合作作品というものでしょう。

戦闘機、軍艦マニアにミリタリーファンも
とにかく必見な名作だと思います。



【解説】allcinemaより
 1941年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃の全容を、日米合作オールスター・キャストで映画化した超大作。当初、日本側監督には黒澤明が予定されており、幻の“フライシャー=黒澤”作品に思いを馳せない訳ではないが、これはこれで重厚にまとまっている。日米間の情報戦を軸とした前半もダレる事はなく、いよいよ後半の戦闘シーンになると映画のテンションは最高潮となる。巨費(3300万ドル)を投じて再現した真珠湾攻撃の模様は、まさに圧倒的。戦争責任などはひとまず置いておき“破壊によるカタルシス”を存分に味わうがいい。この後、戦争映画やTVで、何度このフィルムが流用されたかを考えれば、このシーンの迫真性が判るというもの。日米では公開されたバージョンが異なり、当時のパンフレットによると日本公開版は155分であり、渥美清も出演している。