サン★ロレンツォの夜(1982)

 
 
 
「実際に起こったことでも、ハッピーエンドになることがあるんだよ」
 

3世紀中頃、キリスト教迫害で殉教した聖人ロレンツォ。
彼の命日は、サン・ロレンツォの日と呼ばれ
この日の夜は聖ロレンツォの流す涙が流れ星となり
その流れ星にお願い事をすると叶うと言い伝えられているそうです。
 
日本でも流れ星に願いを唱えると叶うと言われていますよね。
確か消えるまでに3回繰り返すといいとか。
何度かトライしたのですが3回いう前に星は消えてしまいました。
強欲すぎる願い事だったのかしら?(笑)
 
1943年、第二次世界大戦末期のイタリアの片田舎の農村。
村が爆撃されるという噂に逃げ出す者
教会なら安全だと村に留まる者にわかれます。
だけど教会まで爆破されてしまう。
 
しかし逃げた者たちも安全ではありませんでした。
同郷の、知り合いの者同士が
ファシストパルチザンに別れて戦っているのです。
子どもも年寄りも女性もない
容赦なく銃で殺し合います。
 
なのにどこかのどかで、エロスで、ユーモラス。
飢えと貧しさ、命がけの逃避行
なのに男は男であり、女は女であるのです。
 
色鮮やかなワンピース、ヒールのある靴、口紅・・
常に異性を意識する、たとえどんな年齢になっても。
こんな戦時下に。
 
でも人間が本当の窮地に立ったなら
生きるか、死ぬか、逃げるか
食うか、愛し合うか、寝るか
確かに選べるものはそれくらいかもないかも知れません。
 
これは残酷な絵本。
それでも不幸の中に愛の感じる映画でした。
 
タヴィアーニ兄弟
初めての鑑賞でしたが、さすがでございます。
 

 
【解説】allcinemaより
第二次大戦末期、ドイツ軍から逃げ出した人々がパルチザンと出会う。しかし彼らを追って、ファシストたちが銃を向けてきた……。第二次大戦末期のトスカーナ地方を舞台に繰り広げられた戦争の悲劇。村を破壊し撤退を試みるドイツ軍から逃げ出した数名の村民たちが、北上するアメリカ軍の保護を求め旅する姿を描く。「父/パードレ・パドローネ」のパオロ、ヴィットリオ兄弟によるヒューマン・ドラマで、カンヌ映画祭審査員特別グランプリを受賞。ユーモアと緊迫を折り交ぜた演出手腕が物語を盛り上げる。