名探偵登場(1976)





これは相当な映画ツウ、ミステリー通でないと笑えない
そんなコメディだと思います。

私がわかったのはピーター・フォークがボギー(マルタの鷹)で
ジェームズ・ココがポアロ警部のパロディということだけ。
「影なき男」も「支那の鸚鵡」も「ミス・マーブル」シリーズも未見なので
元のキャラがわからない。

「冷血」も未読なのでカポーティが映画に出演していることが
スゴイことなのかどうかもわからなくて。
出演した作品は1本だけのようですが
もっと俳優として活躍しても良かったのにと思うくらい
キャラが活きていましたね。

全体にはのんびりしていて、クラッシックな楽しさがある作品。
表情だけで魅せる演技も実に達者だと思います。
盲目の執事と聾唖のメイドのやりとりなんてもう最高。
ピーター・セラーズのデタラメな中国人も怪演で。

でも洋画のコメディによくある障害者ネタ、人種差別ネタという
ブラック・ユーモアが苦手な人は不快感を感じるかも知れません。

この作品を本当に笑って理解できるようになるには
あと何本映画を見たらいいことやら。笑

「殺人晩餐会への招待状」ではなく
「映画ファンへの挑戦状」のような作品でした。笑



【解説】allcinemaより
豪華キャストで描いた、探偵コメディ映画。億万長者ライオネル・トウェインから招待状を受け取った、ミロ・ペリエ、サム・ダイヤモンド、ジェシー・マーブル、シドニー・ワン、ディック・チャールストンら5人の探偵一行は、北カルフォルニアにある、霧の立ちこめる彼のビクトリア調の豪邸に続々と到着した。だが広間に通された彼らのテーブルには何も用意されていない。と、その時、突然辺りが暗闇になり、再び明かりがついたと思ったら、いつの間にかホストのトウェインが席に着いていた。“時計の針が真夜中の零時を告げる時、このダイニング・ルームで誰かが殺されるだろう。この殺人事件を解いた者には世界一の名探偵の名誉が与えられる”と告げると、再び部屋は暗転し、彼は忽然と消えてしまう。邸の出入口と窓には全てロックがされ、閉じ込められてしまった彼ら。一体犯人は……? この映画の面白さの魅力は大きく分けて2つある。先ず、よく練られた見事な脚本! 二転三転するストーリー、随所に謎解きの要素を散りばめながらなおかつそこに笑いを挟む巧みさ、あっと驚く結末等、流石ブロードウェイ喜劇の名脚本家、ニール・サイモン書き下ろしなだけはある。そしてそれぞれの探偵を演じる役者の素晴らしさ! D・ニーヴンをはじめ、P・セラーズ、P・フォーク、M・スミス、A・ギネスと、個性的な彼ら各々の妙演が映画の面白さを何倍にも膨らませている。まさに見どころ満載といった、コメディ映画の快作。