クラッシュ(2004)




二度目の鑑賞。
10年ぶりに見ましたが
やはりいろいろ考えさせられました。

人種差別、盗み、いやがらせ、そして殺人
見ていて気分のいい話ではありません。

常にいつも、だれかがイライラしています。
そのストレスを、だれかにぶつける、発散させる
そうせずにいられない。

それは決まって自分より弱者
決して抵抗できないものを選びます。

これは遠い国の話ではないと思います。
あなたの職場でも、家庭でもありえること。
些細なことにさえイライラしてしまい、許せないのです。
そして相手にあたってしまう
そういう人は多くいるでしょう。

ただアメリカが日本と違うこと
それは銃社会であるということ。
その怒りには銃がつきまといます。
恐怖で人は人を支配しようとします。

銃があれば他人をいいなりに出来るのです。
盗みも出来るし
憎いやつを殺すことも。

一方で人には思いやりの気持ちというのもあります。
ガンショップで選んだ赤い銃弾の箱
天使の透明なマントのお話
やさしさは奇跡だっておこせるのです。

誰もが理不尽な仕打ちをうけ
不幸をかかえている。
そこから抜け出そうと、もがけばもがくほど
苦しくなる。

だけれどなぜか静かな気持ちで見終われる
そんな不思議な作品でした。
絶望という名の快楽でしょうか。

お気に入りです。



【解説】allcinemaより
ミリオンダラー・ベイビー」の脚本で注目を集めたポール・ハギスが脚本に加えて自ら製作と監督も務めた衝撃のヒューマン群像サスペンス。様々な人種が入り混じり、人種間の摩擦と緊張が極限にまで高まるアメリカのロサンジェルスを舞台に、次々と引き起こされる“衝突”の連鎖によって運命を狂わされていく人々の姿を多彩な俳優陣の豪華競演で描き出す。
 クリスマスを間近に控えたロサンジェルス。黒人刑事グラハムとその同僚でヒスパニックの恋人リア。銃砲店で不当な差別に憤慨するペルシャ人の雑貨店経営者ファハド。白人に敵意を抱く黒人青年アンソニーとピーター。地方検事のリックとその妻ジーン。差別主義者の白人警官ライアンと同僚のハンセン。裕福な黒人夫婦キャメロンとクリスティン。やがて彼らの人生は思いがけない形で交錯、大きく狂い始める…。