最後のブルース・リー/ドラゴンへの道(1972)




楽しい映画ですね。
ブルース・リー唯一のコメディタッチの作品ということ。

ローマにやってきたロン。
お腹が空いたのでレストランに入るものの
まったく言葉が通じません。
タマゴを注文したつもりがやってきたのはスープが5皿。
おかげで何度もトイレに行く羽目に。
ドジでちっとも強そうじゃない。笑

ローマで中華料理店を経営する女主人のチェンは
ギャングから店を明け渡すよう脅され嫌がらせをされていました。
ロンはそれを助けるために知人の紹介でやって来たのです。
本当にこんな人で大丈夫かしら?
チェンも店の従業員も全くロンの強さを信用しません。

映画を見ている私たちだけが
彼がいかに強いかを知っているのです。
今に見ていろよと、心の中でほくそ笑む。笑

見よ!この拳法
見よ!このヌンチャク
ハンドメイドの手投げダーツ?もすごいよ。
予想通りに現れた敵をバッタバッタと倒して行きます。
気分爽快なこと!

そして最後に登場したのはチャック・ノリス
本物の格闘家同士、夢の対決ですね。
って、ちゃんと準備運動から始めたのには笑いましたが。笑
身体の大きな白人空手チャンピオンに苦戦するロンは
足を使ったアウトボクシング戦法で挑みます。
一方のノリスも腕を折られても諦めずに戦い続けます。

迫力ある名格闘シーンでしょう。
モハメド・アリアントニオ猪木の試合よりずっと面白い。笑

前半はお茶目で笑顔が可愛い
後半は無敵のアクション
ブルース・リーを2度楽しめる作品でした。

そして監督、脚本、音楽まで担当しているんですね。
もし生きていたら、イーストウッド監督のように
間違いなく巨匠になっていたことでしょう。



【解説】allcinemaより
ドラゴン危機一発」「ドラゴン怒りの鉄拳」の後、B・リーが監督などを兼任した作品。日本ではリーの死後、相次いで主演作が公開されたがその中でもっとも後発の物だったため“最後の”なる冠が付いている。
 知人がイタリアで経営する中華レストランがギャングの地上げにあって苦しんでいる事を知り、単身ローマに降り立つタン・ロン。彼の存在を快く思っていなかったレストランの従業員たちもチンピラたちを瞬く間に倒したタン・ロンに心酔する。だがギャングの嫌がらせとタン・ロンの防衛戦は次第にエスカレートしていく。やがてギャングのボスはタン・ロン打倒のために凄腕の空手家を呼び寄せるのだった……。
 当時は全くの無名だったC・ノリスとローマ・コロシアムで繰り広げるクライマックスの闘いは--それがたとえ稚拙なセット撮影だとしても--シチュエーション、擬斗共に映画史に残る名シーンと断言してもよいだろう。作品のコントロール権を握ったリーのワンマン映画と言って差し支えないのだが、これまでになかった陽気なキャラクターといい自分の見せ方をよく心得ている演出も安心できる。