クヒオ大佐(2009)


このエンディングテーマに笑いました。
こんな曲があるんですね
カラオケスナックで歌ったら受けるかもしれません。
(相手によってはドン引きされるかもしれません)

自称アメリカ空軍大佐、クヒオ。
名前といい、顔といい、エピソードといい、片言の日本語といい
誰がどうみても怪しい。
なのに信じてしまう、お金を渡してしまう。

振り込め詐欺にしても、自分だけは騙させない
そう思っている人のほうが騙されてしまうといいます。
その理由はたぶん、誰にも相談しないで
自分で決めてしまう人が多いのでしょう。
息子が会社のお金を横領した、浮気相手を妊娠させた
そのためにお金が必要なんて恥で誰にも言えないのです。

この作品でもクヒオは軍人、極秘の任務もあるのです。
彼のことを、仕事を、公言するわけにいかないのです。

弁当屋の女社長しのぶとつきあい、貢いでもらっているクヒオ。
しのぶの次には、自然科学館の学芸員の女性である春と
銀座のトップホステスとして働く未知子を狙っています。

でも、ちょっとマヌケなクヒオ。
電話でしのぶと話していると思っていたら
相手はしのぶの弟、達也でした。
達也は英語がペラペラ
英語を話せないクヒオがニセモノだとすぐわかります。
しのぶが貢いだお金を返さないと警察に通報すると迫る達也。
クヒオは大金を工面するのに困りはじめます。

堺雅人さんが巧いんですね。
誰が見ても嘘つきの顔、嘘つきの目。
まるでそれは子どもが親に嘘をついているとき
そのままの表情・・

「どうして金のあるヤツを騙さないんだ?」
苦労しコツコツと貯金してきたしのぶは全財産奪われてしまいます。
一方、大金を持っていそうな未知子にはクールにあしらわれてしまう。
未知子はお金の話をする人間は
信用ならないことを知っているのでしょう。

結婚詐欺師として実在した人物で
出所後もまた女性を騙し
その被害総額は1億円といいます。

でもなぜか滑稽で切ない。
そして騙す人間ほどマメで優しいといいます。
それが女性の気を引かせたのかもしれませんね。





【解説】allcinemaより

カメハメハ大王の末裔のアメリカ人パイロット“ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐”と名乗り、何人もの女性を騙し続けた実在の結婚詐欺師の物語を、「ジェネラル・ルージュの凱旋」「南極料理人」の堺雅人主演で映画化。共演に「容疑者Xの献身」の松雪泰子、「愛のむきだし」の満島ひかり、「ストロベリーショートケイクス」の中村優子。監督は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の吉田大八。
 いつも軍服を着ている自称36歳のアメリカ人、ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐。父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこ、現在は米軍特殊部隊ジェットパイロットという華麗な経歴の持ち主。しかし、その正体はデタラメな経歴とベタな変装で女性たちを騙しては金を貢がせる結婚詐欺師だった。弁当屋の女社長・永野しのぶはそんなクヒオ大佐の虚言を信じて目前に迫った結婚の準備に勤しむ日々。一方クヒオ大佐は、博物館学芸員の浅岡春を新たなターゲットに定め、言葉巧みに近づいていく。さらに、銀座のホステス須藤未知子にも目を付け、虎視眈々とチャンスを窺うクヒオ大佐だったが…。