ピンポン(2002)




「お帰り、ヒーロー」


楽しめました。

原作の漫画は昔読んでいます。
松本大洋さんの独特のキャラをよく表現できていましたし
イメージを壊さず2時間という枠によくまとめたな、と思います。

ペコとスマイルは同じ高校の卓球部。
サボってばかりで、あまり真面目に部活動はしていないようです。
勝てば大喜び、負ければ号泣落ち込み方もハンパないペコ。
一方のスマイルは勝っても負けてもどうでもいい
なんの得もないと考えています。

才能って遅咲き、早咲きがあって
早く頭角を現した人が途中で追い抜かれたとき
その挫折感は最初から才能のない人間より大きいものかもしれません。
すべてを捨ててしまう可能性もあるでしょう。

ずっと自分が一番だと思っていたペコ。
でも上には上がいるのです。
上海から留学してきたチャイナに負け
幼馴染のアクマにも負ける。
ドラゴンにはかなわないし
親友のスマイルは実力をつけていきます。
堕ちてしまうペコ。

でもペコには卓球だけでなく違う才能があったのです。
対戦相手をも楽しませてくれる、幸せにしてくれる
勝ち負け以上のものを持っていました。

卓球が大好き。
ペコは再び卓球台の前に立ちます。

試合のシーンも躍動感があって素晴らしかったですが
写真ひとつで結果をみせた
ラストのたたみ方はよくできていましたね。
少年は大人になり、それぞれの未来に羽ばたいていったのです。

勝ちも負けも、成功も挫折も、すべてが人生の通り道。
でも悔いのない経験の後にあるのは
やはりとびきりの笑顔なのでしょう。



【解説】allcinemaより
いまや日本を代表する若手俳優の一人となった「GO」Laundry ランドリー」の窪塚洋介主演の青春スポーツ映画。人気漫画家・松本大洋の同名原作を「GO」宮藤官九郎が脚本化。卓球に青春をかける高校生たちの栄光と挫折、そして友情を熱く爽やかに描く。ハイ・スピードで展開する壮絶な卓球シーンを臨場感たっぷりに映像化。
 卓球をこよなく愛し、勝つことに絶対的な自信を持ちながら天真爛漫で気分屋のペコと、“卓球は暇つぶし”と公言するクールなスマイル。二人は幼なじみで、小さい頃から近所にある卓球場、タムラに通っていた。高校生になった二人は共に片瀬高校卓球部に属していたものの練習にはまともに参加しない毎日を送っていた。そんな二人が対戦すると必ずペコが優位に立つ。しかし、日本卓球界の星と期待された過去を持つ卓球部顧問・小泉はスマイルの才能に目を付け、執拗に指導しようとする。しかし、クールが信条のスマイルはそんな小泉の熱血指導を拒絶するのだったが……。