昭和7年にたった一度のお見合いで結婚した
有沢四郎と妻のきよ子の
灯台守夫婦の20数年にわたる物語。
かっては海の安全を守るために
灯台に併設された家(官舎)に住み
国の管理のもと日本中の灯台を転々とします。
しかも人里離れた辺鄙な場所ばかり。
今のようにテレビもネットもないのです。
付き合う人たちも、同じ場所に住む同じ職業の人間だけ。
家族の不満が溜まるときもあるでしょう。
とくに前半の石狩灯台での生活は印象が深かったですね。
私自身北海道出身ということもあって
昭和初期はこのような生活をしていたんだなあと
興味深く鑑賞しました。
家を丸ごと覆い尽くすほど積もった雪。
玄関を開けたら雪の坂道を上って地上に出るのです。
車などない、馬にソリを曳かせ人間を運ぶ・・
日華事変から太平洋戦争、そして敗戦と激動の中
戦時中は家の屋根を迷彩にペンキ塗りしていたのですね。
敗戦、息子の死・・四郎ときよ子はいくつもの悲しみを乗り越えます。
やがて娘は嫁に行き夫婦ふたりきりになる・・
こんな離島を転々とした生活
現在なら間違いなく単身赴任
妻は決して夫にはついていかず実家で過ごすでしょう。笑
でも当時はこうして苦労して、身を犠牲にして、家族を支えるのが
妻の、女性の、勤めであり
理想像だったのだと思います。
奥さんさえ我慢すれば結婚生活はうまくいく。
私にはまだ見るのには早い作品でした。
あと10年、20年後に観賞したなら
涙が止まらない作品になっていたのではと思います。
転勤族の大変さは一応知っていますし。笑
いつか子どもたちが進学や就職で親元を離れたとき(できるかな?)
いつか結婚するとき(できればいいな)
もういちど見てみたい、そんな作品でした。
【解説】ウィキペディアより