ミネソタ大強盗団(1972)




クリント・イーストウッド主演作品の撮影で有名ですね。
荒削りで非情、だけど渋くてかっこいい。

乾いた空気、陽光、叩きつける雨
蒸気オルガンの蒸気たちこめる中での銃撃
棺桶の死体と映す記念写真・・
それは、まるでそこにいるような感覚。
さすがとしか言いようがない。

サーティース撮影監督の映像を見るだけでも
価値ある作品に間違いないでしょう。

強引に土地を買いあさる鉄道会社に人々は苦しんでいました。
そんなとき強盗団として鉄道会社を痛めつけた
ジェームズ兄弟とヤンガー兄弟の一団は住民の英雄となります。
ミズリー州議会は彼らの罪に恩赦を決定。
一方の鉄道会社は恩赦の前に皆殺しにしろと
ピンカートン探偵社に襲撃を依頼します。

自動車や蒸気オルガン、野球の流行
戦争が終わり新しい時代への幕開けなのでしょう。

牛の買い入れ業者を装い、仲間は警備員として送り込む。
用意周到に銀行強盗を企むコール・ヤンガー。
しかしひとりのイカれた男を手下が銃殺してしまったことで
すべての計画が狂ってしまいます。

昔と同じではないのです。
ただ襲って殺して強盗がうまくいく
もうそんな時代ではない。

コールを責めるジェシー・ジェームズ。
ジェシーは地主に追い立てられそうな老未亡人を救うふりをし
こっそり自分たちだけピンカートン団の追跡から逃げます。

織の中で血まみれで群衆の前に立つコール。
金髪の娼婦たち。

ストリーが飛びぬけて面白いというわけではありませんが
こういう雰囲気ある作品は個人的には好きです。



【解説】allcinemaより
 開拓時代末期に実在したジェシー・ジェームスとヤンガー兄弟の列車強盗団をテーマにした西部劇。監督が「ライトスタッフ」のP・カウフマンだけに、活劇というよりは歴史ドラマの趣があり、厳密な時代考証が光る作品に仕上がっている。時代遅れの強盗たちの日常を淡々と追った構成なので派手さは無いが、ロスト・ウエスト感覚の、水彩画のような描写が光っている。撮影を担当したのが「ダーティハリー」や「レニー・ブルース」の名カメラマンB・サーティースで、ここでも見事な手腕を発揮、西部の陽炎を美しく捉えている。強盗団が、当時流行り始めたばかりの野球に興じるシーンが素晴らしい。