マン・オン・ザ・ムーン(1999)




全く面白くはない。

だけれど、良くできた映画なのだと思います。
ジム・キャリーの演技もどの作品より逸品。

35歳でこの世を去った伝説のコメディアン
アンディ・カウフマンの伝記的物語。
たぶん私だけでなくほとんどの人が笑えない
タチの悪いコメディ。

話しも演技も巧すぎるために、悪態も喧嘩も暴力も
誰もがネタを本気にしてしまい、気分を害してしまうのです。
すべてがヤラセと知ったあとでも許せない。

だけど自分にとって最高の笑い。
完璧にみんなを騙す快感。

そんなカウフマンが末期がんに侵されます。
家族でさえそれをもうネタとしか思わない。
医者がレントゲンを見せて説明しても
その医者さえカウフマンとグルだと言いあいます。

新興宗教にすがるカウフマン・・
いままでさんざん人を騙してきた彼は
今度は騙されることになります。

ラストでは、死んでしまってもなお
「また生き返るんじゃないか?」と
誰しもが思ってしまう・・・
そういう男。

アンディ・カウフマンを知ってる人ならば
もっと感動して見れるかも知れませんね。

さすがのミロス・フォアマン監督の秀作。
ただ、全く面白くはない。笑



【解説】allcinemaより
ジム・キャリーが実在のコメディアン、アンディ・カウフマンに扮した人間ドラマ。35歳で他界した伝説のコメディアンを主人公に、その孤独で不可思議な生涯を綴る。おかしくも哀しいカウフマンを、等身大に演じたキャリーが秀逸。ミロシュ・フォアマン監督。売れないコメディアンとしてライブハウスを転々としていたカウフマンに、ある日チャンスが訪れる。やがて人気者となった彼は、その成功とは裏腹に自虐的になってゆく。