これは大のお気に入りの作品で
私にしては珍しく何度も鑑賞している作品。
懲りずにまた見てしまいました。
ドゴール大統領はそっくりさん
戦車はホンモノ
驚くことにオールロケ
ジンネマン監督、やることが凄すぎます。
そのうえに、ドキュメント風なカメラワーク
そして洗練されたファッション。
ドゴール大統領暗殺までの経緯まで
何もかもにおいて完成度が高い。
唯一悔やまれるのが全編英語であること。
しかしこの英語、フランス語風の響きで
一瞬フランス語かと疑うほどに
ものすごく耳に心地いいのです。
恐るべし!ジンネマン監督。
大統領暗殺の目的を果たそうとするジャッカルとそれを追う警察。
国境、宿泊先、駅・・・
ほんのわずかの差で警察はジャッカルに先を越されてしまいます。
ジャッカルの用意周到で綿密な計画には唸らされますが
ルベル警視の捜査も細かな箇所まで描かれていて
とてもリアリティがありますね。
このように、細かく丁寧な仕事をするマメな男性に
意外と女性はヨワい。
お堅いモンペリエ夫人が、ジャッカルの手中に落ちてしまうのも
よくわかる気がします。笑
ホテルには泊まれない、隠れ蓑を探すために
サウナで何気に男を物色するのもプロだなあ、という展開。
(あちらのサウナは同性愛者がパートナーを見つけるための場所でもあるそう)
見事に捜査から行方をくらまします。
しかし、「自分の住まいに行く」のだと
警備員に証明書を見せた杖の片足の退役軍人。
そこに書かれた住所が命取りになってしまうのです。
おじぎをする大統領・・・
大統領(ラテン人)が挨拶(頬へのキス)する習慣を
(ゲルマン人の)ジャッカルは読めなかったのです。
(原作のほうで解説されています)
ジャッカルの本名のはずのチャールズ・カルスロップなる人物が登場する
ラストのどんでん返しも完璧でしょう。
テーマは「容人暗殺」。
それに賛成というわけでは決してないけれど
現代はどうして無差別テロや空爆なのでしょうね。
無関係な人間の殺戮にしか思えない。
そんなことも考えさせられてしまう傑作でしょう。
【解説】allcinemaより
ドゴール大統領暗殺をもくろむ“ジャッカル”という名の男を描いたフレデリック・フォーサイスの同名ベストセラー小説の映画化。暗殺に向けて用意周到に行われる準備とパリ警察の地道な捜査をリアリティたっぷりなディティールで克明に描いた社会派サスペンスの一級品。ドゴール暗殺のクライマックスは、実際に起こらなかった事が判っているにもかかわらず物凄い緊迫感で迫る。