獲物の分け前(1966)


 
 
ロジェ・ヴァディムって監督としても脚本家としてもどうかな?
と、ムービーファンなら誰しも思っていることではないでしょうか。
しかし女優を美しく撮る才能には長けていますよね。
女性の趣味も、才能ある女性を発掘する腕も、超一流。
だけれど女性蔑視なサディスト。
 
この作品も、若き日のジェーン・フォンダの魅力ひとつで
引っ張っていると言っても過言ではありませんでした。
衣装もキュートでしたね、半裸も多かったですけれど。笑
 
初老の実業家アレクサンドル・サッカールと結婚した莫大な資産を持つルネ。
しかし彼女は、夫の連れ子のマクシムと恋に落ちてしまいます。
マクシムと駆け落ちするため、アレクサンドルと離婚したルネ。
しかしマクシムは銀行家の娘とアンと婚約してしまうのです。
 
アレクサンドルは妻と息子の関係をすぐに知りますが
取り乱すことはなく、気がつかないふりをします。
ルネに離婚を迫られてもすぐに承諾します。
資産さえ放棄すればすぐに離婚すると。
 
ジェーン・フォンダの肢体ばかりにスポットをあてないで
アレクサンドル、マクシム、ルネの心情の変化を
もう少し描いてくれれば面白くなった気がします。
ルネの生い立ちも知りたかった。
 
ルネがただ池に落ちたのか
自殺しようとして死にきれなかったのかも描写が曖昧ですね。
それでも愛も、お金も、地位も、全てを失ったルネは哀れでした。
 
これはアレクサンドルの復讐だったのでしょうか。
それともルネの愛を取り戻すためだったのでしょうか。
 
でももし私が男性だったら
どうしたらヴァディム監督のように美女にモテるようになるのか
そのことを一番知りたいと思うでしょう。
映画の内容よりも。笑
 

 
【解説】allcinemaより
原作はゾラの中篇小説『はらわた』。莫大な遺産を相続しながら、家庭に縛られたくないルネは、彼女の住むカナダに来ていた興行プロモーターのアレクサンドルと結婚、パリ郊外の邸宅に落ち着くが、20も年上の夫とは何かと行き違いもあった。そこには先妻との息子マクシムが同居しており、若いルネは次第に彼への情熱を隠せなくなる。そして、全財産の放棄を条件に夫と離縁するが、肝心のマクシムは金持ち娘と婚約してしまう。ラスト、狂ったように屋敷の外をさまよう女の悲哀を表現するには、まだジェーンも若すぎたようである。