ボッカチオ'70(1962)

 
 
豪華、豪華
贅沢、贅沢
よくもこんな凄い映画があったものです。
 
お洒落でちょっと色っぽい
イタリアンコメディのオムニバス。
今見ても、古臭さを微塵も感じることはありません。
さすが巨匠と唸るしかない。
 
女性は結婚退職しなければならない職場で
仕事を辞めたくないために結婚したことを内緒にする
第1話 のレンツォとルチアーナ。
監督・脚本はマリオ・モニチェリ
 
★ひとこと感想
出来ちゃった婚、親と同居・・
お金のない若いカップルがなんだか切実で現実的。
 
婚前交渉やポルノなど卑猥にとことん厳しい男が
公園の看板に描かれたセクシーな女性の絵に魅惑されていきます。
第2話 のアントニオ博士の誘惑。
 
★ひとこと感想
巨大女の胸ボヨヨン♪フェリーニ監督の幻想ワールド炸裂!
 
資産家の妻の父親のお金で浮気しまくる落ちぶれた貴族の夫と
夫の浮気にあきれた妻。
第3話 の仕事中。
 
★ひとこと感想
ヴィスコンティ監督の貴族退廃ムード炸裂!
ロミー・シュナイダーが可愛い、衣装はシャネル。
 
お金のためくじ引きの景品になったグラマーな女と
当選した冴えないマザコン男。
第4話 のくじ引き
 
★ひとこと感想
女を叩くイケメン男より
ハゲでマザコンでズボンの丈が短いけれど、
やさしい冴えない君を選んだほうが幸せになれたのになあ、きっと。
 
主演女優を見ると、監督の女性の好みも伺えますよね。笑
4話とも主演女優が素晴らしい。
綺麗で艶っぽくって魅力がたっぷり。
とっても日本人じゃかなわない。笑
 
 
 
とにかく豪華、豪華、贅沢、贅沢
そして女性の美しさを味わえる作品。
 
だけれど3時間半はさすがに長い。笑
私は1話づつ分けて鑑賞しました。
 

 
【解説】allcinemaより
元々は4編のオムニバスだが、日本劇場公開版はマリオ・モニチェッリの監督したエピソードをカット(現在、発売されているビデオには収録。『デカメロン』の中世イタリアの作家ボッカチオが現代に生きていたら、こんな挿話をその著書に書き入れたかも知れない--。そんな発想で生まれた物語四編を、イタリア映画お得意のオムニバス形式で映画化した62年度作品(だから題名の“'70”は当時から見たら近未来を指していたのだ)。日本では無名のM・モニチェッリの担当作(結婚間近の男女の日常を明るく描いたもので、日本人には親しみやすい素直な青春譚だ)はカットされ、残るすでに知られた巨匠たちの三編で公開となった。現在は1・2巻に分かれビデオで完全な形で観られる。第一話デ・シーカの「くじびき」。北イタリアの片田舎で、遊園地の射的場を営む父の借金のカタに、クジの一等賞にされる娘ゾーエ(ローレン)をめぐっての男たちの狂騒をペーソスを漂わせつつコミカルに綴っている。ゾーエには隣村に恋人がいたが、一等を当てた冴えない寺男の母に“一生の想い出に一夜だけでも息子とつきあってくれ”と懇願される……。第二話は「誘惑」、フェリーニ作。熱心なカソリックの道徳家アントニオ博士は、部屋の前の広場に建てられた大看板のグラマー美女(エクバーグ)に激昂するが、いつしかそれは夢にまで現われ……というフェリーニ的な大らかなユーモアが実に楽しい。三話目はヴィスコンティ「現金」で、貴族の若夫婦の倦怠を皮肉っぽく描く。浮気性の夫をやりこめようと、娼婦に化けて誘惑の電話をしたはいいが、あまりに素っ気なく話に乗ったので、シラけた妻はそれから夫と寝る際には報酬を要求することに決める。いずれも作者の持ち味の出た作品の並んだ好企画と言えよう。