「生死の分け目はただの運」
酷評が多いようですが私はそれほど悪くなかったと思います。
地味な作品も好きなので。笑
美術も良かったし、撮影も美しく見事。
夜の青、夕日に染まった空を背景に走る列車・・
今年のカレンダーにしてお部屋に飾りたい景色がいっぱいでした。笑
この作品は西部劇というよりは歴史や伝記ものですね。
大河ドラマを見るといった感じです。
ただとても長いのです、まだ未鑑賞の方は
おうちでノンビリおやつと飲み物を用意して
気長に構えて見てください。笑
伝説の保安官ワイアットがどういう人生を送ったのか
どんな人間だったのか・・・
ワイアットは最初の妻を腸チフスで死なれたことで
自暴自棄になり、酒に溺れ、乞食にまで転落。
泥棒もします。
そこから立ち直りバッファロー狩りを経て
怖いもの知らずの性格から保安官にさせられてしまいます。
二番目の内縁の妻はワイアットが新しい愛人を作り
本気になってしまったことで自殺未遂をし薬物中毒に。
「シャイアン」ではJ・スチュアートが売春宿で遊ぶワイアットを
演じていましたが、本物のワイアットもかなり女性好きだったようです。
青白く骨と皮に痩せて目は飛び出し役者魂を感じます。
他の作品ではワイアットとドクって対等、
またはドクのほうが魅力的だったりするのですが
ここでは完全な脇役になっていたのは
クエイドがよかった分、少しもったいなかった気がしますね。
愛人を妻とし80歳まで生きたワイアット。
ただ運よく弾が当たらなかっただけのこの男が
まさか伝説となり神話となり語り継がれるとは
本人も思ってもみなかったのかも知れません。
決闘シーンのよさなら「OK牧場の決斗」
ロマンチック派なら「荒野の決闘」
史実を求めるならこの作品というところでしょうか。
さあ次は「トゥームストーン」だ。笑
【解説】allcinemaより
「OK牧場の決斗」で知られる伝説の保安官の姿を、痛快ウエスタン・アクションの傑作「シルバラード」の監督が描く一大西部劇。渾身の演技でワイアット・アープに扮するK・コスナーを中心に名優達が脇を固め、受け継がれてきた伝説とは違った本当の姿を少年時代から忠実に描こうとしているが、尺が長すぎて完全に中だるみを起こし、場面展開も単調さが目立つ。