ビフォア・サンセット(2004)

 
 
恋人までの距離」から9年後の続編。
9年前の約束の日、ふたりは逢えなかったのです。
 
前作で、私は約束の場所に逢いに行くのは
セリーヌジュリー・デルピー)だと思いました。
 
一時の盛り上がった感情のジェシーイーサン・ホーク)は
来ることはないだろうと感じました。
インテリなセリーヌなら約束を守る、そんな気がしたのです。
しかし来なかったのはセリーヌのほうでした。
 
作家になったジェシーはパリの本屋の朗読会でセリーヌと再会します。
ふたりが一緒にいれる時間は、ジェシーアメリカに発つまでの約90分間。
(映画の上映時間)
 
ふたりはパリの街を歩き、会話をします。
別れてからのふたりの人生は、決して満足の行くものではありませんでした。
だから、余計にあの日の事を考えてしまう
いつか再会できる事を願っていたのでしょう。
 
ふたりがアパートに入るシーンはドキドキします。
途絶えることのとなかった会話が止まり、ふと訪れる沈黙。
ドアを開ける瞬間の、予感とためらい。
それは、誰もが経験があるはず。笑
 
セリーヌの歌う「ワルツ」がとにかく素敵。
ジェシーの切なすぎる表情。
こんな歌を聞いたなら、誰だってもう帰らない・・
帰れないですよね。
 
飛行機の便を遅らせてと、一緒に居てと言いたい
だけど言えない。
 
ジェシーには、アメリカに教師をしている妻と
4歳になる息子が待っているのです。
たとえ出発の時間を遅らせても、彼は去っていく
セリーヌはそのことを知っているのです。
 
前作に劣らない恋愛映画の傑作。
ただ、ジェシーの作家という設定は私にはアウトでした。
 
好きな人との関係はふたりだけの秘密
それを小説にして発表してしまうなんて。
飲み会などで、過去の体験談を自慢げに話す男性もいるし
男性は自慢したいことかも知れませんけど。
 
もっと心に秘めた恋心だったなら・・・
 

 
 
 【解説】allcinemaより
スクール・オブ・ロック」が大ヒットしたリチャード・リンクレイター監督が95年に手掛けた傑作ラブ・ロマンス「恋人までの距離(ディスタンス)」の続編。前作で一夜限りの恋に落ちた2人が9年ぶりに再会、ほんの束の間訪れた2人だけの時間を過ごすさまを、リアルタイムで綴ってゆく。主演は前作に引き続きイーサン・ホークジュリー・デルピー
 9年前、ユーロトレインの車内で偶然出会い、ウィーンの街で一夜だけを共にしたアメリカ人のジェシーとフランス人のセリーヌ。半年後の再会を約束したものの、それは果たされぬまま9年の月日が流れた。作家となったジェシーは、パリの書店で行なわれたキャンペーンの席で遂にセリーヌとの再会を果たす。喜びを分かち合う2人だったが、彼らに残されていた時間はジェシーがNY行きの飛行機に乗るまでの、たった85分間。2人はパリの街をさすらいながら、9年の空白を埋め合わせるかのように、それぞれの思いを語り合うのだったが…。