シャレード(1963)

 
 
007でお馴染みのモーリス・バインダーのクレジット
ジバンシイの衣装、パリの街並み
ラストのカットまでたまらない。
シャレたセンスが光ります。
 
エレガントでロマンチックなシーンもいっぱいでした。
手を使わずオレンジを送るゲームでは
豊満なご婦人から、なかなかオレンジを受け取れないグラントの演技は絶妙です。
でも、ヒロインにオレンジを渡すときには思わず見つめ合ってしまいます。
 
夜のセーヌの遊覧船で船の灯りを消し、サーチライトで河岸を照らして
恋人達を映し出す場面もありました。
船客がさらにロマンティックな雰囲気に酔いしれるために
実際にあるサービスらしいです、デートにぴったりでしょう。
 
「僕の歳では、真面目になんかなれない」
 
サスペンス作品としても、もちろん楽しめました。
ジーナ(オードリー)の死んだ夫が持っていた25万ドルを狙うのは
ジョージ・ケネディなどが演じる男性。
 
二転三転するピーター(グラント)の言うことはどこまで本当なのか嘘なのか
敵か味方なのか、夫殺しの犯人なのかそうでないのか
私たちはヒロインとともに、最後まで彼の正体を探ることになります。
 
ダンディなグラントも素敵でしたが、ちょっとマヌケな悪役3人が良いですね。
葬儀で、鼻に鏡を当てたり、死人を刺してみたり
本当に死んでいるのか確認していくところがおかしい。
マッチ攻めや、カギ爪で襲うシーンなどは
シンプルながらも微妙に怖かったりします。
 
目の前にある25万ドルに、誰も気が付かない。
そしてラストのどんでん返し・・
 
軽くて見やすい、お洒落なサスペンス。
スマートな大人の男女の会話が粋です。
キャストもスタッフも豪華。
やはり、一度は見るべき作品でしょう。
 

 
【解説】allcinemaより
スキー場からパリの自宅へ戻ってきたレジーナ(ヘプバーン)を待っていたのは、離婚予定だった夫の死。葬儀の会場には見知らぬ三人の男が現れ、大使館では情報局長(マッソー)から、戦時中に夫が軍資金25万ドルを横領していた事を聞かされる。五里霧中のレジーナはスキー場で知り合ったピーター(グラント)に助けを求めるが、彼もまた三人組の仲間だった……。数々のミュージカルを手掛けてきたS・ドーネンが、その洒落たセンスを活かして作り上げたミステリー・コメディの傑作。H・マンシーニのメロディが怪しくも美しい。