誰かがあなたを愛してる(1987)

 

 
 
秋のニューヨークがとても素敵。
夜のマンハッタン
朝焼けの橋
馬車でくぐるアーチ
コニー・アイランドの海岸・・
「香港映画最高のラブストーリー」と評されている作品だけあり
ただただ素敵のひとこと。
 
そして、ひたむきで不器用な男の純情・・
チョウ・ユンファがチャーミングでした。
 
「呼びたくなったら床を鳴らせよ」
 
ニューヨークへ留学していた恋人を追い、遠縁であるサンパンを頼りに
演劇を学びに来たジェニファー。
しかし恋人には新しい彼女が出来ていました。
悲しみに暮れるジェニファーを励ますサンパン。
 
ふたりは徐々に心が惹かれあいます。
しかし意見の食い違いや、些細な誤解から喧嘩ばかりになってしまいます。
余計なことは言えるけど、大切なことは言えないサンパン。
「好きなんだ」「キミが大事なんだ」と決して口では言えないのです。
 
「私に惚れているみたいだけど、所詮住む世界が違うの・・」

 
サンパンは自分の部屋の鏡に誓いを書きます。
ギャンブルと酒を止める
喧嘩をしない
礼儀正しくする
英語の文法の勉強をする
サンパンは彼女を愛してる⇒
誰かが彼女を愛してる(照れくさくて「誰かが」に書きかえる)
 
好きな女性にふさわしい男になるための決心。
たとえ結ばれなくても
二度と会えなくても。
 
ジェニファーがサンパンの家を出ることになった日
サンパンは愛車を売って彼女が欲しがっていた時計のバンドを贈ります。
ジェニファーはサンパンに、バンドのない大切な自分の時計を贈ります。
お互いが一番大切なものを代償に、相手にプレゼントする「賢者の贈り物」。
 
ジェニファーの乗る車を走って追うサンパン。
この走るサンパンが爆涙ストライクゾーン。笑
このチョウ・ユンファに胸キュンしない女性が
はたしているのでしょうか?笑
 
思わず恋をしたくなる、デートをしたくなる、そんな物語。
男性が好きな女性と見る、デート・ムービーとしても最高でしょう。
殿方のみなさん!DVDのご用意を。笑
 
 

 
 
【解説】allcinemaより
 “秋の童話”と原題にあるように、これは香港の女流監督による、NYを舞台にしたメルヘンなラブ・ストーリー。演劇の勉強のためにNYを訪れたジェニファー(C・チャン)を迎えた遠縁のサンパン(C・ユンファ)は、聞かされた話と違って大分やくざな暮らしをしていたらしい。初めは彼に嫌悪感を抱いていた彼女だが、その大らかさに次第に魅かれ始め、彼は、コニーアイランドでレストランを経営する夢を語る……と書けば、日本のトレンディ・ドラマ風だが、向うで生活する香港人たちを描くディテールが豊かで思わず引き込まれる。恋愛の微妙さも上手く語られていて、ユンファは特に魅力的。二人がサイパンの理想とする海辺の店でディナーを取ると、“夢のレストラン”の幻影が浮かぶ場面が美しく忘れ難い。