シリーズ6作目。
マドンナは若尾文子さん。
父親(森繁)に送り届ける序盤は秀逸。
これは当然宮本さんがマドンナかなあ・・・と思うわけですが
これで終わりだったのはかなり残念。
「帰るところがあるから俺はダメなんだ
・・でも俺が帰るとおいちゃんもおばちゃんも喜ぶからなあ」
「とらや」に帰ってきた寅さん、しかし部屋を下宿人に貸したと言われます。
それはもう大ショック、自分は必要のない人間だと落ち込みますが
下宿人の夕子に会ったとたんに、その美貌に一目惚れ。
彼女の前ではやさしい紳士に大変身、美人にはとことん尽くす寅さん。
そして博がタコ社長の工場から独立する問題について
寅さんの無責任と勘違いな態度で大騒動になりながら話は進展します。
マドンナはあっけなく迎えに来た夫のもとに戻ってしまいました。
「辛い事があったらいつでも帰っておいでね・・」
さくらと柴又駅での別れのシーンは切ない。
家出したときの思い出話、赤いおはじきの餞別・・
幼いころから妹は、このろくでもない兄のことが大好きだったのでしょう。
電車の扉が閉まったあとも、なにかを叫んでいる寅さん。
でもさくらちゃんには聞こえない・・
とにかく最初と最後がとても良い。
出会いと別れ、旅の情緒に溢れています。
もしかしたら誰であっても
ふらっと夜汽車に乗って・・
缶ビール飲んで船に揺られて・・
あてのない気ままな旅に出てみたい。
そんな願望があるのかも知れません。
【あらすじ】ウィキペディアより
旅から帰った寅次郎は、またしても自分の部屋に下宿人が居ることに腹を立てる。しかし、下宿人がおばちゃんの遠縁に当たる娘の夕子(若尾文子)で、しかも飛び切りの美人だと知ると態度を180度変え、寅次郎は鼻の下を思い切り伸ばして日々の生活を送るようになる。事情を聞くと、夕子は夫とうまくいかず、そのため別居を決意したのだという。夕子のつらい立場に同情した寅次郎は、たちどころに夕子に惚れてしまったが、ある日、夫が夕子を迎えに来たのであった。